ミニバス全国大会で特別ルールが採用される
令和7年3月16日(火)
今月末に開催される全国大会で3ポイントが初採用されるほか、次回からはゴールの高さなども変更される© 産経新聞
小学生対象のバスケットボール競技「ミニバスケットボール」を巡り、3月末に開催される全国大会で初めて3ポイントシュートが導入される。これまでは、遠くからのシュートでも一律で2ポイントだった。主催する日本バスケットボール協会は小学生年代の技術・体力の向上を理由に挙げる。全国大会に限った措置で、地方大会などでの採用は未定だが、現場からは練習環境の整備に向けて不安の声も出ている。
ミニバスケットボールの試合の様子© 産経新聞
ボールも一回り大きく
3ポイントが初採用されるのは、代々木第一・第二体育館(東京都)を会場に3月28~31日の日程で行われる全国大会。男女各47チーム、計94チームが参加する。
また、来年3月に予定される次回大会では、リングの高さも現行の260センチから中学生以上と同等の305センチにし、ボールの大きさも5号球から、一回り大きい6号球(中学生以上の女子と同等)になる予定だ。
協会はこうした特別ルールの採用理由について、①全国大会には各都道府県予選を勝ち抜いた競技力の高いチームおよび選手が出場しており、年々、個々の技術力が上がってきている②全国大会に出場する選手の8割強が小学校高学年であり、競技規則が変わるU15カテゴリー(中学生年代)へつながりをもたせる③文部科学省の調査などによると、子供の発育状態は上昇しているーなどを挙げる。
担当者は、「全国大会レベルでは、男子で180センチ、女子でも170センチをゆうに越えるような選手たちも多くなり、ジャンプ時のバックボードへの衝突など、安全面の懸念も出てきた。主軸となる6年生は大会直後に中学に進学することなど、状況を総合的に検討し、全国大会に限った特別ルールの導入が決定された」とする。
都道府県大会での実施は未定
特別ルールを巡っては、すでに一部地域で数年ほど前から、6年生ら上級生のみが参加する地元競技会などに採用されていた。
協会は令和3年、統一した運用に向けてガイドラインを公表。全国大会やブロック大会など以外の「都道府県内で完結する競技会」や、将来性の高い選手向けの育成試合などでは、導入可能とした。
今回の全国大会から3ポイントを先行導入する方針については、昨夏の理事会で決定され、秋に各都道府県協会などに通知。現状、特別ルールはあくまで全国大会に限ったものとし、ブロック大会や都道府県予選などで採用するかは、検討を続けるとしている。
協会「ルール自体の改正ではない」
一方、現場レベルからは不安の声も聞かれる。
東日本のある自治体のバスケ協会関係者は、「ミニバスの主な練習場所は小学校の体育館だが、われわれのエリアでは、従来型のゴールしか設置されていないところが大半」と指摘。「高さを調整できる可変式のゴールなどを用意しようにも、当然お金がかかるし、自治体などが予算を組むのも、難しいだろう。全国大会の仕様が特別ルール準拠になることが決まっている以上、できるだけ広く環境を整えたいが、見通しは全く立っていない」と明かす。
SNS上では、リングの高さだけでなく、「コートのサイズが小さくて3ポイントライン(ゴールからの距離6・75メートル)がうまく引けない」などの声も出ている。
日本バスケットボール協会は、こうした懸念について、「ルール自体の改正ではないので、一般的な競技環境という観点からは、用具施設を変更して頂く必要はないと考えている」と説明。小学1年生ら低学年の児童がプレー可能な競技でもあり、「『楽しむ』という目的に照らし、特別ルールの適用拡大には、反対意見もある。最適解を模索していきたい」としている。