【Jr.ウインターカップ2023-24】飛躍の準優勝を飾った相模女大中
【Jr.ウインターカップ2023-24】飛躍の準優勝を飾った相模女大中、エース竹内みやに力を与えた姉の言葉「最後はみやらしく笑顔で」© 月刊バスケットボール
悔しさは残るも「やり切れた」決勝戦
京都精華学園中(京都)と相模女大中(神奈川③)の顔合わせとなったJr.ウインターカップ2023-24女子決勝戦は、序盤からインサイドの攻防で優位に立った京都精華が前半で23点のリード(49-26)。最終的にはこの前半のスコア差を保った京都精華が4度目の決勝戦にして、初のタイトル獲得を成し遂げた。
初戦(2回戦)のボンズ茨城(茨城)戦から今日の決勝戦まで全ての試合で20点以上の差を付ける圧巻の勝ち上がりだったが、相模女大中の決勝戦後半の戦いぶりにも目を見張るものがあった。相手の高さにも徐々に対応し、得意の3Pシュートも決まりだした後半は35-33のリードを取っている。
特に、チームを常に強気なプレーで引っ張った司令塔の#4 竹内みやはすばらしかった。160cmと決してサイズはないが、抜群のクイックネスにスムーズなワンハンドシュートから繰り出すジャンプシュート、さらには巧みなアシストでチームをリード。田島稔コーチからも「大事なところは、みや中心でやっていい」と絶大な信頼を得ており、今大会の6試合では平均19.8得点、7.0リバウンド、7.8アシスト、2.0スティールという圧巻のスタッツを残している。
決勝戦でも後半だけで10得点、8アシストを挙げ、試合トータルでは18得点、14アシスト、3スティール。3Pこそ決まらなかったものの、2Pは9/18と50%の高確率で沈め京都精華に食らい付く原動力となった。
竹内は「個の力は出せてアシストにも出ているように周りを生かすこともできたと思います」と個人としての出来を評価しつつ、チームとして勝てなかったことについては「悔しい」と率直な気持ちを吐露。それでも、選手入場から試合終了のブザーが鳴る最後の瞬間まで常にチームメイトに声をかけ続け、明るい表情で笑顔を見せていた姿が印象的だった。
竹内がバスケに没頭していった裏には2つ年上の姉・なつの存在がある。竹内が1年生だった頃、姉は3年生として相模女大中のスタメンを務めていた。姉との最後の試合となった2021年のJr.ウインターカップ準々決勝は1点差(vs. J,sphere/45-46)の惜敗。それから2年の時を経て、姉が立てなかった決勝の舞台に立つことができた。
竹内は姉の存在についてこう語る。「もう本当に、自分は姉がいたから成長できたと思っています。一緒にたくさん練習したから成長できましたし、姉とはお父さんから言われることもほぼ一緒。一緒に話したり、良い刺激をもらっていました」
決勝戦は残念ながら姉が応援に駆けつけることはできなかったというが、「最後の大会だからみやらしく笑顔でやり切ってほしい」というメッセージをもらったそうだ。結果は悔しい敗戦となったが、「まだまだだと思うところもありますけど、楽しんでやれたのでやり切れたかなと思います」と、竹内は晴れやかな表情で応えてくれた。
姉からもらったメッセージは、決勝戦での竹内のプレーと笑顔を間違いなく支えていた。
「『楽しかった』の一言です」
笑顔で大会を振り返ってくれたのが相模女子大学中学部の司令塔兼得点源の竹内みやだ。チームは準優勝で終えたが、今大会で大きなインパクトを残した選手の一人と言うことができるだろう。
1月8日、「京王 Jr.ウインターカップ2023−24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会」は最終日を迎え、男女決勝2試合が開催。女子決勝はともに初優勝を目指す相模女子大と京都精華学園中学(京都府)が対戦した. 試合はティップオフ直後から京都精華学園にゴール下を支配され、相模女子大が前半で26−49とリードを許す。後半に入りチームディフェンスが機能。インサイドを中心に守りを固めると、オフェンスでは竹内の1対1と松浦真央の3ポイントシュートなどで反撃した。後半のスコアでは相模女子大が35−33と上回ったが、前半のビハインドは大きく61−82で敗退。Jr.ウインターカップ初優勝はならなかった。
それでも試合後、竹内には涙はなかった。
「もちろん悔しい気持ちはあるのですけど、相模女子が決勝まで来られたのは初めてなので、全力で楽しめたかなと思います。それに自分たちの相模女子らしいバスケができたのもそうですし、色々な方が見に来てくれて、こういう大舞台は久しぶりだったので、そういうのもあって楽しめました」
大会6試合で平均19.8点7.8アシストを叩き出した竹内の魅力はなんといっても1対1だ。クロスオーバーを自在に操り、マッチアップのディフェンスとのギャップを作り出すと、シュート、ドライブ、さらにパスでオフェンスをリードする。
2年まではドライブがメインだったが、自主練習で打ち込みシュート力をアップ。今大会では3ポイントシュート成功率が48.3パーセントと高い数字を残し、外角からのシュートも大きな武器となったことを示した。
1対1については「ミニバスのときからドライブを中心に頑張ってきました」と語る竹内。「河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)のプレーを見て学ぶこともありますし、NBAのハイライトビデオや試合を見たりして、いいプレーがあったら自分でノートに書き記して、その後自主練で自分のものにしてきました。スマホに映像をアップして、通学時にも見ています」と語る。
そんな竹内に好きな選手を聞くと、「カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)とジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)です」と、NBAでもトップクラスの1対1の使い手をピックアップした。
ドライブに加え、シュート力を強化してきた [写真]=伊藤大允
将来について尋ねると、「日本代表になりたいですし、町田瑠唯選手(富士通レッドウェーブ)のようにWNBAでプレーしたいと思っています」と目を輝かせる。
「自分は身長が低いので、留学生のいるチームが多い高校ではシュートの打ち方を工夫して、もっともっと外のシュートの精度を高めないと。そしてバスケットIQを上げて、ガードとしてのレベルを上げたいと思います」
今後の活躍が期待される竹内の次の目標は…
「高校で日本一を目指します」
期待度はマックス! 楽しみ以外の何者でもない.
目標は「日本代表とWNBA」…1対1を武器とする期待度マックスの相模女子大・竹内みや© BASKETBALLKING
「『楽しかった』の一言です」
笑顔で大会を振り返ってくれたのが相模女子大学中学部の司令塔兼得点源の竹内みやだ。チームは準優勝で終えたが、今大会で大きなインパクトを残した選手の一人と言うことができるだろう。
1月8日、「京王 Jr.ウインターカップ2023−24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会」は最終日を迎え、男女決勝2試合が開催。女子決勝はともに初優勝を目指す相模女子大と京都精華学園中学(京都府)が対戦した。
試合はティップオフ直後から京都精華学園にゴール下を支配され、相模女子大が前半で26−49とリードを許す。後半に入りチームディフェンスが機能。インサイドを中心に守りを固めると、オフェンスでは竹内の1対1と松浦真央の3ポイントシュートなどで反撃した。後半のスコアでは相模女子大が35−33と上回ったが、前半のビハインドは大きく61−82で敗退。Jr.ウインターカップ初優勝はならなかった。
それでも試合後、竹内には涙はなかった。
「もちろん悔しい気持ちはあるのですけど、相模女子が決勝まで来られたのは初めてなので、全力で楽しめたかなと思います。それに自分たちの相模女子らしいバスケができたのもそうですし、色々な方が見に来てくれて、こういう大舞台は久しぶりだったので、そういうのもあって楽しめました」
大会6試合で平均19.8点7.8アシストを叩き出した竹内の魅力はなんといっても1対1だ。クロスオーバーを自在に操り、マッチアップのディフェンスとのギャップを作り出すと、シュート、ドライブ、さらにパスでオフェンスをリードする。
2年まではドライブがメインだったが、自主練習で打ち込みシュート力をアップ。今大会では3ポイントシュート成功率が48.3パーセントと高い数字を残し、外角からのシュートも大きな武器となったことを示した。
1対1については「ミニバスのときからドライブを中心に頑張ってきました」と語る竹内。「河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)のプレーを見て学ぶこともありますし、NBAのハイライトビデオや試合を見たりして、いいプレーがあったら自分でノートに書き記して、その後自主練で自分のものにしてきました。スマホに映像をアップして、通学時にも見ています」と語る。
そんな竹内に好きな選手を聞くと、「カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)とジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)です」と、NBAでもトップクラスの1対1の使い手をピックアップした。
目標は「日本代表とWNBA」…1対1を武器とする期待度マックスの相模女子大・竹内みや© BASKETBALLKING
ドライブに加え、シュート力を強化してきた [写真]=伊藤大允
将来について尋ねると、「日本代表になりたいですし、町田瑠唯選手(富士通レッドウェーブ)のようにWNBAでプレーしたいと思っています」と目を輝かせる。
「自分は身長が低いので、留学生のいるチームが多い高校ではシュートの打ち方を工夫して、もっともっと外のシュートの精度を高めないと。そしてバスケットIQを上げて、ガードとしてのレベルを上げたいと思います」
今後の活躍が期待される竹内の次の目標は…
「高校で日本一を目指します」
期待度はマックス! 楽しみ以外の何者でもない。
目標は「日本代表とWNBA」…1対1を武器とする期待度マックスの相模女子大・竹内みや© BASKETBALLKING
ともに大会ベスト5に輝いた吉田凜花(左)と [写真]=伊藤大允
文=入江美紀雄