なぜ小学生のうちにより正しい動きを身につける必要があるのか?
この投稿はドラフト(草案)ですが公開してます。
ホークスではより正しい(身体特性上合理的な)動作を身につける。という事を大切にしています。
その理由をこのページで解説したいと思います。
専門性の高い内容が含まれるので、誤植はあると思いますが、大きな流れとしては概ね正しいと考えています。
参考資料
- 脳科学の教科書 神経編(理化学研究所 脳科学総合研究センター)
- スポーツトレーニングの基礎理論(横浜市スポーツ医科学センター)
- スポーツ科学の教科書 強くなる・うまくなるの近道(谷本 道哉、石井 直方)
- バスケットボール指導教本[改訂版] 上巻(日本バスケットボール 協会)
- スキル修得の5つの段階(知識・意識・無意識)(日本ラグビーフットボール協会)
スポーツにおける脳や神経の関わりについて
スポーツをする場合、意識は状況判断に向いているため、体は無意識下で動いています。
試合でドリブルをする際、「手を下ろして、手を上げて」などと、ドリブルのやり方を考えながらプレーすることは無いはずです。
運動は大脳(運動野など)に蓄積した運動記憶をもとに、神経を通し筋収縮を繰り返すことで表現されます。(運動ニューロン)
無意識下で体が動くのは、反射に関わっている小脳が影響しているためです。
合理的に体が使えないということは運動記憶に問題がある。といえます。
運動記憶が蓄積する仕組み
記憶には知識記憶や経験記憶と呼ばれるものがあり、それぞれ反復と1回あたりの刺激量の総和で蓄積されます。
とても嬉しかったことや悲しかったこと(トラウマ)は1度で記憶されますが、気の乗らない学習などは何度か反復しないと記憶されません。
では、運動の刺激量・情報量とは何に依存するのでしょうか。
運動における刺激量(発達量)
運動における刺激量(発達量)は年齢に依存しています。
9、10歳ごろにピークを迎え急激に減少し14歳で神経の発達量はほぼ成人と同等になると言われています。
運動記憶は正しくても間違っていても蓄積される
運動記憶は正しくても間違っていても蓄積されていきます。
例えば以下のようなことであれば理解しやすと思います。
- 変な箸の持ち方を大人になってから直すのが難しい。理由は神経発達量の多い少年期に反復したため。
- 子供の頃に覚えた動き(自転車、なわとびなど)が大人になってからもできるのは神経発達量の多い少年期に運動記憶が強化されたため。(いわゆる体が覚えているという状態)
間違った運動記憶を正すには
スポーツを開始した当初をニュートラルの状態とします。
蓄積された記憶分、正しい動きを意識してして反復することで、やっとニュートラルに戻れる。と言われています。
正しく動くためには、2倍以上の努力が必要になる可能性がある。という事です。
神経発達量を考慮すると2倍以上の努力が必要な可能性すらあります。
実際、かなり動きのクセが強い状態で、ホークスにきた子供もいますが、なかなか修正はできませんでした。
意識して修正はできても、ゲームライクな練習になった途端に元の動きが出てしまいました。
ホークスでの取り組み
ホークスでは、このようなリスクを避けるためスキルを体系的に学び、体を正しく使ってプレーするような指導を心がけています。
詳しくは「指導について」ページをご覧ください。