女子は四日市メリノール学院中がV/ジュニアバスケ
令和3年1月7日(木) 女子は四日市メリノール学院中がV/ジュニアバスケ <バスケットボール・第1回ジュニアウインターカップ:四日市メリノール学院中(三重)60-56京都精華学園中(京都)>◇最終日◇7日◇女子決勝◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ◇日刊スポーツ新聞社後援 将来の日本代表を担うであろう逸材が、15歳以下の初代チャンピオンを決める大会で輝いた。女子決勝は四日市メリノール学院中(三重)が延長の末に京都精華学園中(京都)を60-56を下して優勝した。192センチの大型センター福王伶奈(3年)や主将の東紅花(ひがし・いろは=3年)を中心に粘り強く戦い、劣勢からの逆転勝ちを決めた。男子決勝は城南中(秋田)がNLG INFINITY(群馬)に91-70で快勝し、頂点に立った。 ◇ ◇ ◇ 延長にもつれ込んだ熱戦の終了を告げるブザーが鳴り響くと、192センチの中学生福王は、身長差26センチのチームメート永福(2年)と抱き合って優勝を喜んだ。初代女王の座に就き、「ここまで支えてくれた仲間や先生のおかげ」。喜びの涙がこぼれた。 1日2試合をこなした前日に続き、最終日も準決勝と決勝を行うハードスケジュール。それでも若さではつらつと乗り切った。サザンギャルズ1031(栃木)を73-36と圧倒した午前の準決勝で、福王は30得点、18リバウンドの大活躍を見せた。 その試合終了から約2時間後の午後1時すぎに始まった京都精華中との決勝では、187センチのディマロ・ジェシカとマッチアップ。相手のレベルが格段に上がったことで、決勝のスタッツは8得点、12リバウンドにとどまったが、抜群の身体能力を誇るジェシカに堂々と渡り合った。 恵まれた体格は中国出身の両親譲りで、父が身長190センチ、母は身長186センチという。日本国籍を持つ福王は、高校生に混じってすでにU16日本代表候補に選出された大器。稲垣愛監督は「性格はとても真面目で、高さがあるだけでなく、先頭でどんどん走ってくれる姿勢も素晴らしい」と評価。さらには、「日本の宝。将来のオリンピアンになれる選手だと思っているし、それに向けてやってきた」と期待を掛ける 中学卒業後は名門・桜花学園高(愛知)へと進学予定。この1年での成長について福王は「オフェンスよりもディフェンスで成長できたと思う」と自己評価。中学最後の試合を終え、「ドライブや3点シュートをもっと練習し、中も外も出来る選手を目指す。高校でも全国優勝の力になりたい」。さらなる成長を誓った。【奥岡幹浩】 U15世代の日本一決定戦『Jr.ウインターカップ』の初代王者となった四日市メリノール学院中学校(三重)を大黒柱として牽引したのが福王伶奈だ。192cmの恵まれたサイズに走力、フットワークにも優れる彼女は今大会、1回戦でわずか13分52秒出場で36得点の鮮烈デビューを飾った。 その後も不戦勝となった2回戦を挟み3回戦で23得点、ベスト8で37得点、ベスト4で30得点と大暴れ。2日連続のダブルヘッター最後の試合となる決勝の京都精華学園中学校は、福王をフィジカルで上回る留学生ディマロ・ジェシカ・ワリエビモ・エレとのマッチアップに苦戦し8得点に留まったが、身体を張った守備で大会得点王(平均31.2得点)の相手を19得点に抑え、チームの逆転勝利を導いた。 福王は優勝の喜びを語る。「本当に途中、何度も無理だ、負けると思っていて、それがまさか逆転で優勝できるなんて思ってもいなかったです。ただひたすらにうれしいという気持ちとともに、支えてくれた仲間や先生方、応援してくれる保護者の方たち、他のメンバーに感謝の気持ちしかないです」 スタッツ的には不発だったが、福王の可能性はむしろ高さで支配できなかった決勝戦でこそ見えた。インサイドだけでなく、アウトサイドからも隙があったら臆せずにシュートを狙っていく。また、これまでのようにプレーできなかった第1クォーターで、精神面でも発展途上の中学生ならそのまま最後まで崩れてもおかしくない。しかし、後半に立て直すメンタルの強さを見せてくれた。 それは周囲のサポートがあってこそと彼女は強調する。「自分は何度も留学生の子にやられていて、もう本当に何度もあきらめようと思いました。ただ、その度に仲間や先生方が支えてくださって、自分一人では絶対にここまで留学生と戦えなかったです」 「あの子は日本の宝だと思います」。 このように福王を評する稲垣愛ヘッドコーチは、中学3年間での成長ぶりをこう称える。「将来は多分、日の丸を付け、海外を相手にしても負けない選手になれる子です。とても真面目で、先頭をきって走る能力があります。そしてフックシュートを覚え、3ポイントシュート、ドライブと一生懸命練習しています」 「これから海外の選手とプレーをするにあたってはメンタルと体力が一番の鍵だと思っています。やっぱり初めはやられてしまい面を食らったわけではないですが、ちょっと心が折れそうな時もありました。ただ、そこで自分自身の力で持ち直してくれたので、それはすごく大きかったです。今日はよく踏ん張ってくれました」Jr.ウインターカップ優勝の福王伶奈、心技体の3つでバランス良く成長を続ける『次代の日本バスケ界を担う逸材』
192cmで走力とフットワークに優れ、メンタルの強さも備える