秋田市立城南中学校、高さとチーム力でNLG INFINITYを上回り『Jr.ウインターカップ』初
令和3年1月7日(木)
小川瑛次郎と佐々木陸のツインタワーが躍動
『Jr.ウインターカップ2020-21』男子決勝は、準決勝でレバンガ北海道 U15を下した秋田市立城南中学校と、同じく準決勝で奥田バスケットボールクラブを下したNLG INFINITYの対戦となった。
城南中はフィジカルとスキルを兼ね備えた小川瑛次郎と佐々木陸のツインタワーが得点を重ねていく。NLGは195cmの川島悠翔が高さを生かし、突破力が魅力の増田聖大がドライブからのフローターなどを次々と沈め、序盤は互角の展開となった。
だが、城南中の栄田直宏コーチが「速攻もセットオフェンスもアウトナンバーも磨いてきました」と語ったように、トランジションオフェンスが機能した城南中が主導権を握っていく。
チームで連動した動きから確実に1対1の場面を作り出したことで、小川や佐々木が高い精度でシュートを沈めていく。また、リバウンドからの攻守の切り替えを早め、次々と速攻を決めてリードを拡大していった。
一方のNLGは川島にボールを集めるもヘルプの対応に苦しみ、ポストに入れてからの展開が乏しく徐々に失速していった。また、前半に入れた31点中29点が川島と増田の得点だったNLGに対し、城南中は高橋 峻大が12点を挙げ、ファウルトラブルの高山翔弥と代わった高山凌弥が3ポイントシュートを決めるなど、バランスの良さが目立った。さらにターンオーバーは0と、安定感でも勝った城南中が46-31とリードして前半を終えた。
後半立ち上がり、城南中は得意の速攻を連発し、小川がミスマッチを突いて得点を重ねた。そして開始3分、高山凌弥の速攻が決まり点差を21点に拡大した。
NLGの川島は無念の途中交代
このタイミングでNLGはタイムアウトを要求。大黒柱の川島が足を痛め、コーチが懸命にマッサージを行ったが、川島は無念の途中交代となりそのままコートに戻ることはなかった。
城南中は小川や佐々木が冷静に高さのミスマッチを突き、試合を優位に進めていった。川島の不在をチーム一丸で補おうとアグレッシブさが増したNLGの粘りに遭ったが、セーフティーリードを守り抜き、最終スコア91-70で初代王者となった。
栄田コーチは「相手は一人ひとりが能力のある選手でしたが、こっちは組織力。2、3人で跳んで下の選手が協力してリバウンドを取る形を見せることができた」と、川島の高さに負けずにリバウンドでイニシアチブを取らせなかったことを勝因に挙げた。
そして、「部活動のチームですから、3年生にとってはこれが引退試合。練習で積み上げてきたことを最後の2試合に集結させることができたので指導者としてもうれしいです。選手たちも充実感があるんじゃないかと思います」と、U15世代の頂点に立った喜びを語った。
城南中V、双子の高山兄弟が躍動 ジュニアバスケ
<バスケットボール・ジュニアウインターカップ:秋田市立城南中(秋田)91ー70NLG INFINITY(群馬)>◇男子決勝◇7日◇東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ◇日刊スポーツ新聞社後援
男子決勝は城南中(秋田)がNLG INFINITY(群馬)に91-70で快勝した。背番号7の高山翔弥と同9の高山凌弥(ともに3年)は双子の兄弟。決勝ではファウルトラブルの兄翔弥に代わってコートに入った弟凌弥が3点シュートを決めるなど、2人で力を合わせて頂点に立った。
髪の毛が少し長めの兄は「大会を通じて自分の役割を果たすことはできたと思う。優勝できて嬉しい」と笑顔。短髪の弟は「決勝ではシュートの調子は良くなかったが、守備で頑張れた。目標にしていた日本一になることが出来た」とうなずいた。
父や5歳年上の兄の影響を受け、双子の兄弟は小1からバスケットボールを始めた。幼いころから一緒にドリブルし、パスを交わし合ってきた2人。弟は「あんまり仲良くないですよ」と冷たい口ぶりだが、兄は「今大会でも、凌弥からいいアシストをもらう場面があった。心が通じ合っていたと思う」とにっこり。中学卒業後も、2人で同じ高校に進むことを希望している。次のステージでも、息の合ったプレーを見せていく。【奥岡幹浩】