追悼
2020/01/28 22:51
惜しまれつつの引退から約4年。NBAで数々の名場面をつくってきた不世出のガードが、突然の事故で世を去った。
名前の由来は元選手だった父親が、神戸牛のステーキが好きだったことから「KOBE」。幼少期は父の移籍に伴い、イタリアで過ごした。1996年、当時は珍しかった高卒の17歳でレーカーズ入団。同年11月、18歳でNBAデビューを飾り、スターへの階段を駆け上がった。
1試合で81得点を挙げるなど、卓越した得点能力で5度のファイナル制覇の原動力に。一方、負けず嫌いで、自分勝手なプレーはたびたび批判の的にもなった。シャキール・オニール選手らチームメートとの衝突も起きたが、レーカーズ一筋で20シーズン。名門チームの黄金期を築いた。
体格やポジション、華やかなプレースタイルから、「神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダン氏と比較されることも多かったブライアント氏。ジョーダン氏は「彼は弟のような存在」。幼い頃からの憧れの存在にも実力を認められ、ジョーダン氏を抜く通算3万3643得点を積み重ねた。
引退前の数年はアキレスけん断裂や骨折などのけがが続き、体力の衰えも目立ったが、16年4月の現役最後の試合では60得点。コートを去るまで輝きを放った姿は、永遠にNBAの歴史とファンの記憶に残り続けるだろう。