バスケットはシュートが決まると面白い
当然のことながら、「バスケットはシュートが決まると面白い」。
誰でもわかる簡単なこと…。だけど、子ども達の中には、その面白さにまで行きつく技量がない子が沢山います。
シュートを教えるということは、結構、、難しいんですよ。
目の前にリングがあって、手にボールがある…これをあそこに入れなさいと言えば「入る」という、ものではなく、入れるための技術(フォーム)を身につけなくてはいけません。
恐らく、指導者が思っている以上に、子ども達は「シュートを決めたい」と思っているはず。
シュートを入れるポイントは、それほど複雑ではないのですが、その単純な要素を何度も何度も繰り返して、身に就くまで繰り返すことが…できそうで、できない…から大変なんです。
特に重要なポイントは、「真っすぐ投げられる」かどうか。
ここで邪魔してくるのが「ねじれ」と「ブレ」です。
ボールには重さがありますから、投げようと思えば当然、力が必要になります。
腕力の弱い子ども達にとっては、この重さを克服するために、色々な工夫をしてきます。
踏ん張ったり、反ったり、そしてねじって回転したりと…。
そのボールを投げるための動作としては、決して悪くないのですが、それも「真っすぐ」となると、邪魔してくる要素が絡んできます。
ボールを大きく振り子のように勢いをつけて投げることで「ブレ」が生じます。
また、大きく足を使って踏み出すしたり、腕の力だけで投げようとすると、左右の「ねじれ」が生じます。
手首が器用な子がいますから、手首で補正して、リングに入ってしまうこともあるのですが、それを「必然」と思っていると…先の未来、選手として「泣く時期」を経験します。指導者としては「偶然かも…」と常に考えておく必要があります。
今、入っているからと「OK」にするかどうか、ここが指導者として見極めが必要なんです。
体には沢山の関節があり、そこに関わる筋肉があります。それぞれに特徴がありますから、その連動によって、ボールを「真っすぐ」「遠く」へ投げることができます。
しかも「競技」となれば、ゲーム時間というものがありますから、一発だけシュートが打てるフォームでもいけません。体力が無くなり、筋力が低下してもブレずにシュートを投げられるかどうか…ここも忘れてはいけません。
フリースローは重要ですが、フリースローの練習で抜群の子が、イコール、試合で抜群かは…別ものですよね。
今、この時期にシュートフォームを再チェックしているのは、一つは、残された大事な試合で、最後の「一手」のシュートを決められるかどうか、試合で決めるシュートほど、チームの士気を高めるものはないですから…。
それと、彼らにとっての試合は「通過点」であって、バスケットは続くので、シュートフォームのチェックは、乱れた時点で、常に修正してあげないと…悪い癖が取れなくなります。
卒団間近の6年生には、しっかりとしたシュートフォームの考え方を伝授して、巣立ってほしい…。考え方を伝えておけば、私のもとを巣立っても、自身で修正/補正してくれる可能性が残ります。「後は任せた」という時間がすぐそこまで迫っていますから。
つま先の向き、足の幅、膝の角度、ボールの持つ位置、ボールの持ち方、肘の開き、ボールの押し出し方…など、チェックする箇所は無数にあります。
さらに、子どもによって身体的な特徴が違っていますので、その子にあった調整も求められます。
先の「笑い話」でも書きましたが、教える側としては、常にベストな指導方法はないかを模索しつつ、できるまで何度もチェックしないといけません。
パスやドリブルが上手な子も凄いですが…やっぱりバスケの基本は「シュートを決めること」なんです。
決まったときの“あの笑顔”…これが最高に嬉しい瞬間であり、その姿を想像しつつ、彼らにシュートとは何ぞやを「鮫ちゃん理論」で伝えております…。
フォーメーションなどで2点を取る練習も大切ですが、その前に目の前のリングにボールを入れる…そのことを忘れてしまうと、フォーメーションに溺れて、楽しい試合が台無しになっちゃうかもしれませんのでね(笑)