嬉しさをバネに
時代が変わると「常識が非常識になる」という話は、これまで何度も話してきましたが、やはり昭和世代の私にとっては、その変化が妙に面白く…。
あの頃、そう信じてやってきたことが、今では「御法度」的なことも多く、うさぎ跳びや水分補給など、死にそうになって取り組んでいたことが…実は「死んじゃうかも」って笑って言える怖さ(笑)
それもこれも「根性」というキーワードが、全てを推し進めていたのでしょうね。
スポーツにおいては、勝って嬉しい、負けて悔しい…ここは不変なのかもしれませんが、その結果を受けて、それをどう活かすか…ここには違いが出始めています。
昔は、「悔しさをバネに!」といい、負けたとき「なにくそ!」と思う気持ち(根性)から、次の活力へとつなげていたのですが、最近は少々違ってきています。
どちらかと言えば、勝って「嬉しさをバネに」といった感じでしょうか。
嬉しさを味わうのは、決して「試合に勝つだけ」ではないので、「練習でやってきたことができた」とか、「覚えたプレーができた」とか、「シュートが入った」「シュートが打てた」「ドリブルで抜けたとか」とか。
要は、成功体験の、この「成功のライン」をどこに引くか…ということです。
今、チームの保護者の方々と、ざっくばらんに話をするのですが…お子さんで悩んでおられる内容を聞くと、やっぱり「昭和の息のかかったご意見」が非常に多い!
まだまだ「スパルタ」的なご家庭もありますので、話を聞きながら「ま~、ま~」となだめるのが私の役目になっているようなことで…(笑)
「あの子、負けて悔しくないのか!?」とか、「できなくて何とも思わないの!?」なんて声は、あちこちから上がってきますが、決して「悔しくない訳がない」んです。
悔しいと思う気持ちはもっているが、それが次にどう活かすか…なんて発想を持っていませんから、表情にも出ないし、行動にも出ない、勿論、口からも出ないんです。
では、<嘘でも>口で「悔しいので次は頑張ります!」って言えば、大人は騙せるって知恵でもつけたあかつきには…そりゃ~、エライこっちゃですよ(笑)
それよりも「嬉しさをバネに」、煽れば煽る程、子ども達の「バネ」は強く大きくなる時代なんです。
…車の「煽り運転」はダメですよ!交通法も厳しい罰則を課せましたからね(笑)
スポーツにおける、いい意味での「煽り運転」、是非、お子さんにも試してみましょう!
昔、暴走行為をしていたそこのお父さん、お母さん、この煽りは世の為、人の為になりますよ~♪
またまた冗談言っちゃいましたが…
真面目に、子どもが「嬉しい」と思うことは何なのか…それだけを考えて「煽って」ください。
自分が子どもだった頃を思い出して…。
嬉しい、楽しいの先に、子ども達は走っていこうとします。
厳しい道のりをあえて選択する考え方は、大人になる段階で、自分たちで作っていくでしょう。
今は、彼らに私達大人ができることは、更に成長するための「バネ」をにしっかりと準備してあげて、最後に「ビョーーーーーン」と飛び上がるタイミングは、彼ら自身が決めることなのです。
ここまで言われると「甘い!」と言いたくなるでしょ!…昭和世代の私も内心そう思いますが…これが「常識」になり始めていますから、今、ここに乗り遅れると「ダサい大人」になりますよ!(笑)
勿論、昭和世代を生き抜いてきた方々の生き方を否定することは絶対にいけません。
みんな「必死で」生きてきたのですから…「水」も飲まされずにね(笑)
「勝って楽しい♪」が成長のチャンス! 負けた試合の後に、こっぴどく説教することに労力を割くくらいなら、勝った試合後の笑顔の子ども達に「+1」でアドバイスをしてあげましょう!
そしたら、成長のバネは太く、大きくなりやすい時代ですから…。