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小学生の心と目

2021/06/04 06:00
  

スポーツにおける「心技体」、その神髄に気付き、初めてこの言葉を使った人は誰なんでしょうか。これほど見事にスポーツの要素を簡潔に述べた言葉はないような気がします。

 

小学生スポーツにおける心技体については、これまでも何度か書かせていただいておりますが、特に心の成長が未熟な世代においては、この「心(メンタル)」の部分がプレーに大きく影響します。

 

単に「メンタル」という言葉で片づけてしまうには、あまりにも雑な気がしますが…。

 

子どもの心はその時々で変化します。これまで、男子チームの指導経験しかない私ですが、子ども達の様子を観察する中で、この「心」の変化に気付けるように、注視してきたように思います。

 

男子は少し、いや大分と…女子とは違います。小学生の男の子は本当に、「メンタルが弱い」…そんな印象を持つ私です。笑笑

 

その心が乱れると…プレーも乱れる。単純な構図であって、実にわかり易い…のだが。

 

電池(体力)が切れると、本来のパフォーマンスが発揮できないのと同じように、心が乱れることもまた、パフォーマンスが低下します。

 

自分自身の性格や、特徴を理解していない世代がゆえ、その乱れた状況を瞬時に自身で修正することは難しいでしょう。大人でも難しいことなので…。

 

「落ち着け!」という言葉で簡単に落ち着けるなら…何度でも連呼しますがね。笑笑

 

ゲーム中、パニック(心が乱れた状態)になる子は少なからず現れます。

 

そういった子によく見られる行動が、目で常に“ボールを追っている”ということ。

 

…このような状態の子がパニックになり易い。

 

以前にも話をした「直接視野」と「間接視野」の話。

 

目で見て得た「情報」を頭で判断して、行動に移す…。

 

何気ない、この当たり前の行動を、コート上で激しい動きの中で瞬時のおこなうことは決して容易なことではなく、経験した者にしかわからないかもしれません。

 

高いレベルになればなるほど、この判断の速さと、正確さが求められます。

 

ボールを目で追う行動は、(動物的にも)ごく自然な行動であり、決して、おかしなものではないのですが、コート上で、その視点、その視野をどう使い分けるかによって、その子のプレーに大きく影響することを知っておかなくてはいけません。

 

結果、視野が狭いことや一点集中の状態によって、得られる情報量が少なくなり、おのずと判断材料が少ない中での「選択」を迫られる…そりゃ~、ミスも起これば、パニックにもなりますよね。

 

小学生にバスケを教えていて、指導者目線で、単純な体の動きや技術、そのことだけで、その子の「能力」を判断するのはどうなのでしょうか。

 

例えば、練習で、素晴らしい個人技をみせ、力強くドリブルをつき、迷わずシュートを決めることができる…でも、試合で起用すれば、全く別人のように、何もできなくなったり、空回りしたりといった子がいる…。そういった子をみて、指導者としてどう考えますか?

 

「気が弱い」「やる気がない」「練習不足」…あるいは「経験不足」とザックリで片づけるか。

 

どういった観点で、子どもの心理を推測し、判断することが正しいのか…。

 

実はその背景に、「目の使い方」がまだ上手くできないことで、情報が得られず、まさに「手探り状態」、「目隠し状態」でプレーしてはいないか。

 

そのことで…

自分のマッチアップ選手の存在が消え、狙うべき(または守るべき)ゴールが見えなくなる

→周りの仲間、敵の位置が把握できず、自分が立っている位置すらわからなくなる

→次の行動の判断がつかなくなり、その場で動けなくなる(フリーズ状態)

 <ここでいいか悪いか、発破をかけるベンチの声「何してる!」「ちゃんとやれ!」>

→パニック状態が加速し、更に視野が狭くなる。。。

→五感が狂いだし、周りの声すら耳に入らなくなる。。。

 <もう、ベンチの声は届きません…笑笑>

 

結果、自分が何をしているか、何をすればいいのかわからないまま、時が過ぎ、「自信」という大事な要素を失います。

 

…なんてことはないですか?

 

そういった緊張は、相手プレイヤーからのプレッシャーによるものなのか、それとも良かれと思って放ったチームや仲間からの声掛け、そのことでのプレッシャーなのか…。

 

視野が狭いことから始まる“緊張”をいかに緩和してやるか、そのためにも「周りを見て判断する訓練」を今のうちにさせてあげることが、彼ら、彼女らのパフォーマンスを最大限に引き出すための近道。

 

ゲーム中に、心(メンタル)が乱れ始める第一歩に、この視野が大きく影響していることを理解した上で、気持ちを落ち着かせるために「周りの様子を“落ち着かせて”観せる」ことが最善なのかもしれません。

 

パニックになって何もできなかった子に「罰」を与えるためにコートから降ろすことが最善の策なのか…。

 

それならば、そのままコートに立たせた中で、「周りを見る」ことに声かけをし、意識して見始めた際に「それでいい!」と背中を押す声をかけ、視野を広げる練習をさせてあげる方が、その子にとっては本来の力を発揮する可能性に近づくと思うのですが…ね。

 

そういう私は、緑内障で徐々に視野が減ってますけどね。。。泣

 

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