意識の向け先
ミニバスケットボール(U12)というカテゴリーは非常に面白い。
未だ、日本バスケは「高校バスケ」がアマチュアでの花形であって、宮城の明成高校、京都の東山高校の男子決勝のゲームは、まさに戦略/戦術の醍醐味を観ることができた素晴らしいゲームでした。
この数十年で日本選手の層も厚くなり、外国籍の選手や、日本国籍のハーフ、クオーターの選手達が、日本の素晴らしい指導者のもと、献身的なプレーをする姿は、昔では想像もつかない光景です。
中学も高校も、3年間というスパンの中で、選手を育成されていますが、ミニバスとなると…長くて6年ほど付き合うこととなります。
6年…長いです。笑笑
ただ、この6年の間に、どれほど子どもは成長するか…これがほんと楽しく、そして面白い♪
特に小学生の中での面白い成長、変化には…「意識の向け先」が変わることです。
中学生、高校生、そして大学生ともなると、バスケットボールという競技を理解することも、自ら理解する力があるので、「バスケットが上手くなりたい!」とシンプルにバスケにのめり込んでくれることでしょう。
ただ、小学生のバスケを始めたばかりの子には、その意識は非常に低いのです。
何のためにバスケをするか…そこに大きな違いがあります。
私が思うに、大抵の子は「(自分を)誉めてほしい」「(自分を)観てほしい」「(自分を)かまってほしい」…など、自分自身に対する「なぜ(自分は)」はなく、周りに対して、自分の存在感を示すことに意識が向いていると思います。
最もわかり易い事象は、自分の親が喜んでいる姿を観て、何より喜び、悲しんでいる姿を観て、何より悲しみます。
言い換えれば、自分の親が喜んでいる姿を観たくて、頑張っている子がいるということ。
「何のために」の以前に、「誰のために」と…向いている視点、意識が違うということです。
この時期は是非、子ども達と一緒に、大人が、そして保護者が楽しむことが、結果、子どもの成長に繋がる“近道”だとお考えください。
我が子の成長度合いに焦っているお母さん、お父さん…その焦りがその子の“焦り”になっていることを…。
その焦りが、かえって「楽しむ」という成長のための一番の“栄養素”を失わせているということ。
私は思います…。ミニバスに最も必要なことは、いかに親が子どもと一緒に“楽しむ”か。
この時期、めいっぱい楽しんだ思い出は、彼ら、彼女らのその先のバスケライフの大きな肥しとなりますから。
ちなみに、小学生あるあるですが、「お世話になったコーチのために…」という言葉をよく耳にしますが…あれ、真に受けたらダメですよ。大人が言わせてますから…笑笑
正しくは「大好きなお母さん、お父さんのために…」が正解です。
ただ、競技者として、そして選手として巣立っていくには、この意識をいつまでも持ち続けていると、成長のための“伸びしろ”は小さくなっていきます。
そう、その先の成長の第二段階は…「自分に対して意識を向ける」ということが必要なのです。
この意識が切り替わる瞬間を、ミニバス(U12)世代では、多く観ることができます。
いわゆる“巣立ち”の瞬間です。
ここを巣立って初めて、選手としての第一歩を踏み出す…ミニバスとはそういうカテゴリーです。
「バスケが上手くなりたい」と本気で自分に問いかけ始めた子どもは…一気に姿を変えますので、お楽しみに♪