レイアップの極意
ミニバスケットを指導して、もう何年になるかな。。。
二十代から指導を始め、そこから十数年。色々あった中で、一度、バスケの世界から離れて、また十数年。そして再び、ミニバスの指導をする機会となり、もうすぐ3年になります。
この3年、以前に指導していた頃の感覚を取り戻す努力と、そして何より、しばらく離れていた間に進化した「バスケットボール」という競技を改めて理解する時間に費やしてきました。
同じバスケであっても、今のスタイルは大きく変わっています。
昔のNBAでは、100点を超えるスコアになることはまずなかったですが、今の時代、100点ゲームは当たり前。トランジションの速さと、アウトサイドでの早めの攻撃が主になっています。
マジックジョンソンが活躍したレイカーズ黄金世代。
ファーストブレイクに憧れ、マジックのイラストの入ったTシャツを着て練習をしていた少年時代の私は、未だにあの「速攻」に憧れる。
シャキールオニールやアキームオラジュワン、そしてティムダンカンなどのインサイドプレイヤーがチームの柱となった時代から、今ではアウトサイドプレイヤーがスコアリングリーダーとなっています。
ま~、そのスタイルの走りは…アレンアイバーソンでしょうけどね♪
ドリブル技術が進化し、1対1をより展開するスタイル。私が苦手とする指導スタイルです。笑笑
苦手というか、興味が湧かない…そんな感じでしょうか。
やはりコート上の5人が繋がる瞬間は、何ものにも代えがたい感動があります。
特に小学生が一丸となるプレーは、感動と共に、嬉しく感じるものです。
速攻を出すには、パスや走力の強化はありますが、まずは「レイアップシュート」が決められることが当然のように求められます。
バスケ初心者の小学生にレイアップシュートを教えることは、簡単そうに見えて、案外、奥が深い…。
練習では決められたとしても、試合では入らない…そんな状態から始まります。
そう、「慣性の法則」との戦いです。
普段からゆっくりとレイアップを打つ習慣をつけていると、どうしてもボールを前に投げる癖がついてしまいます。そりゃ、一人で練習していて、全力で走り込んでレイアップを打っている子はまずいないでしょうから。
腕を使って前に投げることで、簡単にシュートを決めていたはずが、試合中、走りこんだり、スピードをつけたりした瞬間にリングに「ドン!」。
ボールは普段よりも強く、リングやボードに当たり、跳ね返される。
慣性の法則、運動の第一法則が発動しています。
ボールを前に投げる力に、前に走り込む強さ(力)が加わり、想定以上に強く前に押し出され、ボールは空中で前進運動を始めます。
わかりますかね?笑笑
簡単に言えば、止まって打つレイアップと、走り込んで打つレイアップには“違い”が生じるということ。
スピードなく、止まって打つようなレイアップは腕の力で前に押し出す必要がありますが、走り込んでいる状態でのレイアップは、前に投げる必要はなく、走り込んだ力がそのままボールにかかり、前に押し出されているということ。
「ボールを置いてくる」と、昔はよく指導したものです。
真っすぐ真上にさえ投げる技術があれば、あとは走り込むコースとスピードの調整で、レイアップシュートは入るようになる…これが原理です。
私は常に子ども達にアドバイスしているシュートのコツは「真っすぐ投げる技術」を身につけなさいということ。
レイアップを手首でこねるのは「応用編」であり、「基礎編」ではないので、その“こねる手首”が必ず悪さをします。
コート上で、時速20~30キロ近くで走る選手が、あれだけ簡単に柔らかいレイアップを放てるのは、常に慣性の法則を体感しながら、手首と指先で「微調整だけ」をしているからであって、腕の力で投げていないからなんです。
子ども達の頭の中には、「ボールは重い」「リングは高い」という固定観念がありますから、どうしても強く前に投げようとします。
その意識を払拭してあげないと、試合などの実践で、想像以上に走込むシチュエーションに遭遇した際に、いつもと違う感覚と戦うことになります。
走り込む速度を落とさせるよりも速めていくことで、ボールを前に押し出している感覚を身につけさせてあげなくてはいけません。
真っすぐ投げる技術さえ身に付けば、前に飛ばす力は「走力」で、上に飛ばす力は「ジャンプする力」で補えますから、低学年の子でも走り込んだレイアップの方が簡単なことに気付いてくれるでしょう。
まとめると…レイアップの極意は「足の使い方」にあると私は考えます。
マニアックで…ごめんね。笑笑