ゲームコントロール
先日、テレビで富樫勇樹選手が出ていて、やっぱり「背が低い中で…」「大きな選手を相手に…」…中にはプレーどころか収入の「1億円」って。インタビューする方の質問は、ベタどころかナンセンス過ぎて、つまらない…いや、日本人として恥ずかしい。。。
富樫選手も、もうその質問に答えるのは飽き飽きしているんじゃないかと…。
日本ではまだ、それが「バスケット」の認知レベルなんです。
バスケが盛り上がりに欠けるのは、観る側の質の問題でもあるんですよね。
日本バスケがメジャーになるには…まだまだ先が長そうです。。。
富樫選手が中学3年生の時、一度だけ審判をした思い出があります。本丸中の時に…。
彼が上手いというイメージよりも、チームが速かったってイメージが強く残っています。
その後、本場アメリカにいって高校全米ランキング2位でしょ!?
全中で日本一になるよりも…凄い偉業ですよ!!!
東海大学へ進んだ河村選手など、日本人はどうしても、小さい選手が大きな選手の間をかいくぐってシュートを決めることに「凄さ」を感じるようですが、私はそれよりも、ゲームをコントロールする頭脳と判断力に魅力を感じます。
勿論、ドリブル速さやショットの正確性、バスの技術は、日々の鍛錬のたまものでしょうが…それだけでは、強豪チームのポイントガードは務まりません。
更に富樫選手が凄いのは…アメリカで!ですよ。
小柄なジャパニーズ、アメリカでは無名の日本人が、バスケの猛者たちが集まるアメリカのハイスクールで、ゲームをコントロールする…その信頼を得るために何をしてきたか…想像を絶します。
…しかも異国の言語、英語で!
並大抵の努力では成し得ない偉業。
テレビの中で、Bリーグで富樫選手と河村選手が初対戦した際の印象を聞かれて、富樫選手は「正直、やりたくなかった…」と。
それは、体力的にも勢いがある河村選手との対戦は、自分の脅威であることを認めている…ある意味、河村選手をリスペクトしている発言。
また、河村選手は、富樫選手と対戦して、「ゲームをコントロールする凄さを感じた」と言っていました。
河村選手も、自分がこれから成長しないといけないのは、ポイントガードとしてチームをけん引する力をつけないといけないと…理解しているのだと。
NBAにも昔から小柄でありながらスーパープレーを繰り出す選手がいましたよね。
マグジーボーグス…160センチ代で、スピードと跳躍力も兼ね備えながら、それでいてゲームをコントロールする才能・・・ここが生き残るための必須条件なんですよね。
背が低いことに注目する前に、ゲームをどうコントロールしているか…ここを是非、注目して観てほしいと思います。
自分の足が遅いからゲームもスローにするのは…それは違うと思うんです。
ゲームをコントロールするということは、自分以外の選手をいかに活かすか…走ることよりも、どう走らせるか…そこに気づけば、また新たな可能性が広がると思いますよ。
自分に足りないものは…何かで補う…それがチームメイトとの信頼関係で得た“仲間の力”であれば、それをコントロールする能力もまた、素晴らしい才能だと思うのです。