笊(ざる)ディフェンス
今、ようやくと言いますか、指導者の怠慢と言いますか…ディフェンス練習に時間を割くようにしています。
コロナ禍で練習や試合ができなかった期間が長く、練習再開後、まずはシュートやドリブルなどのオフェンス中心の個人技術に時間をかけ、ここ最近、条件付きでの交流(対外試合)が可能となったことで、他チームと対戦してみて…「アチャ~」です。
1試合に60点近く取られるありさま。。。
業界で良く言われる…「笊(ざる)ディフェンス」です。笑笑
※笊で水をすくっても、編み目から水がこぼれ落ちるように、バスケでの「笊」とは全く相手を守れず、抜かれ放題な様を比喩しています。。。アハハ
秋に近づくこの時期からのディフェンスフットワーク…流石に私も経験したことがないスケジュールです。。。
チームディフェンスに辿り着くまでには、道のりが長いですが…それでもバスケ人生を歩み始めた彼ら…特に6年生達には、卒団までに基礎くらいは教えてあげないと…私も責任を感じます。
スライドステップやクロスステップ、ボールマンディフェンスにディナイやヘルプ。単にディフェンスフットワークと言っても、そのシチュエーションによって使う道具や選択の多さは、底なしです。
交流試合が再開されたことで、試合の勝ち負けもリアルに出ますから、子ども達も「ディフェンスを頑張らないと試合にならない…」と少しはその“必要性”を感じてくれているようです。
ディフェンスの練習を始めると、チーム内のパワーバランスも多少変わってきます。
これまでオフェンスで存在感を示していた子が、実はディフェンスが苦手…なんてこともありますし、また、得点を取る技術は多少劣るが、ディフェンスであれば活躍できる子も出てきます。
いいんです…それで。
バスケットボールは点を取るスポーツであるのと同時に、“点を取られないようにするスポーツ”でもあるのです。
ミニバスはどうしても、シュートやドリブルが上手く、得点をよく取る子が注目され、身長が大きな子が目立ちやすいですが…ディフェンスに長けた子もそれと同様に注目されるべきなんです。
今、ディフェンスの基本中の基本を教えている段階ですが…そこで注視すべきは「視野」です。
ミニバスあるあるは…「ボールだけを追いかける」または「自分のマークマンだけを追いかける」…そんな状態がごく普通に起こります。
これは守っている際の視野が「直接視野」だけで対応しているケースが多いからです。
時と場合で視野や視点を切り替えることを教えてあげなくては、その先の「チームディフェンス」は成立しません。
カメラで言うと「ズーム」か「ワイド」か。
指導者の方はお分かりだと思いますが…「直接視野」と「間接視野」の使い分けです。
自分の視野の中で、視野の両端に「ボールとマークマン」を置く視点とそのポジショニング。
案外、これを見落として、ディフェンスフットワークだけに注力すると…残念ながら与えた道具はポケット中にしまったままで終わることがあります。
必死で首を振って周りを見る…それでは冷静な判断はできません。
昔ながらの一枚硝子の水中眼鏡をつけた状態でコートに立っている訳ですから。視界が狭い中での状況判断…これは流石に無理がありますよね。
ちなみに、レフェリーをしている皆様、アドバイスで言われたことありませんか?ステイした状態で、プレイを判定するべきだと。
レフェリーも視野の使い方で、判定が各段に良くなることってあるんですよ!ほんとに…。
で、プレイヤーも同じなんです。
間接視野で、視界の中に必要な情報を入れておくことで、冷静な判断が行われる。
我武者羅に「ちゃんと見ろ!」とか「ヘルプせんか!」なんて発破をかけても、選手は焦りから冷静なプレーの選択は行えない…ということ。
極端に言えば…目隠ししてバスケができますか?写真のように切り取った映像で次のプレーが予測できますか?と言うこと。
今、ディフェンスを教える中で、注力するのは「視野の置き方」。
さあ、彼らはこの短期間で身に着けらるか?
元を正せば…指導者の怠慢…お許しくださいませm(_ _)m