根比べ
最近、よく子ども達に言う言葉…「練習のための練習じゃなく、試合のための練習」。
正直、小学生の子ども達には難しい課題です。
なんせ経験が乏しい、バスケ人生を踏み出したばかりの子には「イメージ」なんてものはまず湧かないですから…それを比較するなくて当然難しい課題…。
ただ、練習をして、試合をした際に、そのプレーの“必要性”をその場で伝える。
鉄は熱いうちに打て。
以前にも話をしたことがありますが、練習だけで上手くなろうというのは…私は「遠回り」していると考えます。決して悪いことではありませんが…遠回りしているだけのこと。
逆に試合ばかりをしているというのは…急ぎ過ぎている。
要は、適度な試合を組むことで、その後の練習の質や、練習の成果が一層高まると思うのです。
その“適度”がチームによって違ってくるのです。
ま~、私はどちらかと言えば、試合が多い方に寄ってますかね。。。笑笑
私は試合の中で、それまでの練習の内容をチェックします。
試合前に「今日はこれを頑張る」と作戦盤に書いて渡す。最近は紙に書いて子ども達に渡します。子ども達は試合中もベンチで確認し、コートに出る前にもう一度、確認していますね。
要は…「やる“意識”を持ってプレーする」ことを求めています。
そう…意識してやった結果、できないのであれば…練習内容に問題があるか、練習が足りないかがわかります。
この意識がない中で試合をやっても、正しい評価ができないんです…。
ただ、その日の課題以外のところでの問題やミスについては…大目にみないといけません。
どうしても試合をすると「勝ちたい!」って気持ちが、指導者が先に持ち過ぎると…教えていないことや、目に見えない“気持ち”の問題として、選手に厳しくあたってしまいます。
まずはお互いの“求めていること”を明確にする…。
最近思うのは、一度に与える課題「3つ」…は、小学生の子ども達には大変なようで、1つか…2つで十分かと。
ただ、一度教えたからといって「できる」とは思っていませんが、「やろうとしているか」「やれたか」「習慣になったか」…という視点で見てあげる…。
バスケは習慣のスポーツ…「ハビットゲーム」です。
“正しい習慣”を繰り返し求め、それが身に着くようになるまで…ほんと根気がいります。笑笑
逆を言えば…“間違った習慣”を繰り返せば、それが身に着くということ。
「自由」と「好き勝手」は全くの別もの。
先日、歌舞伎役者の市川猿之助さんがテレビ番組で「型破り」の話をしていましたが、傾奇者と言われた彼が、異端児のように思われ、歌舞伎の世界からも“恩知らず”と罵られながらも、自分のやりたいことを貫き通した話の中に、“型破り”と言われるには、まず、基本、基礎という「型」を身に着けた者だけが「型破り」と言われるのだと。
基礎も身に着けない中での「自由」は…ただの「形無し」であると。
試合に出ることで満足している子は…プレーに意識がありません。
それでは「上達」への階段は登れない。
本当の「自由にプレーさせる」というのは…型(基礎)を身に着けた者にだけ与えられる権利であり、そうでなければ…それは“形無しのプレー”を指導者が“放ったらかし”している「残念な習慣」と言わざるを得ません。
我々指導者は、“正しい習慣”を身に着けさせるために「繰り返し…繰り返し…」、その根気であり、子ども達との“根比べ”なんですよね。