アシスト
「猪突猛進」。
周囲の人のことや状況を考えずに、一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進めること。
読んで字のごとく…。
ミニバスにおいては、特に脚力があり、ドリブルを多少つけるような選手に“あるある現象”です。
ただ、これは「マイナス」ではなく、限りなく「プラス」の“才能”です!!!
「いかない」あるいは「いけない」選手の背中を押すよりも、猪突猛進の選手の勢いをコントロールする方が何倍も“楽”ですから…笑笑
では何故、まさに“猪”のように相手ディフェンダーの群れの中に突進し、状況によっては、見事に「罠」にかかってしまうのでしょうか。
自分で点を取りたいと強く思うばかりに「突っ込む」。
スピードドリブルが得意なので「突っ込む」。
接触が好きだから「突っ込む」。
逃げてはいけないと「突っ込む」。
単にマニアだから「突っ込む」。笑笑
私は勢いでドリブル突破しようとする姿勢は、実に素晴らしいと思うのですが、残念なのは、「突っ込んだ“その先”」をイメージできていないから…「猪」になっちゃうんです。
要は…“選択肢”を持たずして「突っ込む」から、あっさり「檻」に入っちゃうんですね。
突っ込んで、相手ディフェンダーを抜いた後の(レイアップ)シュートのイメージはあるのでしょうが、そこに仕掛けられる「罠」のイメージがないから…ね、見事に檻に入っちゃうでしょ?笑笑
なので、「止められる」「挟まれる」「ディフェンスが寄ってくる」…そこをイメージして、その罠にかかる前に、次の行動に移ることができれば…やっと「猪人間」に進化します!笑笑
罠をしかけていることを知って、自ら罠を逆手にとって“おとり”になれる技術…そして“味方”を活かす技術…それが「アシスト」。
考え方によっては、“得点を取る”以上に高度な技術なんです。特にミニバスではね。
“猪突猛進”の選手は、裏返せば…アシストの才能を秘めているということ。
本当に素晴らしい“才能”です。
スペーシングもそうですが…自分がおとりになって、自己犠牲を払ってでも、味方のプレーを演出する。
チームスポーツには、そういった要素があってゲームが成り立ちます。
ところで、ミニバスで「アシスト」って、あまりスポットライトに当たらないですよね?
だって、スコアシートもファウルを除けば、「得点」しか記録しないんですから、「リバウンド」や「アシスト」って記録されないんですもん。
リバウンドの天才、桜木花道やデニスロッドマンは、ミニバスのスコアシートだったら…「な~ににもやってない選手」になっちゃいますからね。ほぼ白紙状態。
かつて、スティーブナッシュやジェイソンキッド、ジョンストックトンやマジックジョンソン、これまでNBAでもスター街道を走った選手は、このアシストでファンを魅了したものです。
アシストは、チームで言えば、最高の「潤滑油」。
チーム力を上げるには、このアシストに長けた選手がいるか、いないか。
今、ミニバス(U12)のシステムでは、どちらかと言えば、1オン1に強い選手にスポットライトが当たる構図なので、突出した選手にボールを持たせ“アイソレーション”で攻めることが得策となります。
スコアシートしかり、システムしかり…この「アシスト」が日の目を見ない仕組みがとても残念ですが、この“アシストする力”って、人生にとって実は得点を取る以上に、重要なことなのかもしれませんよ。
得点を取ることに長けた選手を、器用に操る選手…まさにコート上の「王様」は、アシストプレイヤーなんですよ♪