成金
今、子ども達に「スペーシング」の考え方を指導しています。
…実践も大切ですが…まずは「考え方」から。
この辺りから「チームプレー」への意識が大きく変わり始めます。
これまでの期間「個人技主体」で指導してきましたが、これからようやく“バスケットボールらしいこと”を指導できるので…私も楽しみな時間となります♪
…やっと「本当のバスケの面白さが教えられる」といった心境でしょうか。笑笑
「シュート」「パス」「ドリブル」は、あくまでバスケットという競技で使う「道具」であり、それだけで戦うことには限界があります。
いわゆる「1対1」だけで試合をしろということになってしまいますので、そこの究極を求めるには「パス」の練習をやめてしまえばいいんです…極論ね。笑笑
選手個々の技術を磨くことはとても大切ですが、それだけでは“戦う集団”にはなれない…ということ。
将棋で言えば、「飛車」や「角」ばかりを揃えても「王」を捕まえることは難しい…。桂馬や香車、歩があって…それぞれの特徴を組み合わせるからこそ、相手からすれば、打つ手に迷いが生じるのです。
この自チームの「手」がどれだけあるか…。
ミニバスであっても、その年その年の個性や能力などが違いますから、毎年、新しい「将棋」の攻め手が生まれてくるのです。
今年はどんな「将棋」を打つのか…そんな感じで楽しみを膨らませます。
どうしても、飛車や角、金や銀は「欲しい存在」です。
ただ、その年によっては、飛車角抜きで戦わないといけない年もあります。
苦しい将棋となりますが…それでも駒の特徴を組み合わせて、チームを作らなくてはいけません。
特にミニバスの時期においては、「歩」が突然と「成金」になる…という感動の瞬間に出会うことが多いので…たまりません♪
バスケと将棋は、全く違うものであって…似たものなんですね。
話がそれちゃいましたが…
そのスペーシングは、戦う集団をつくる上では「必要不可欠」であることを…どれだけの方が理解しているのでしょうか。
圧倒的な力の差があれば…スペーシングなど教えずとも勝利するでしょう。
私は「100点ゲーム」には興味がありませんので、それよりも「競る試合」に楽しみを感じています。
選手個々の能力で多少劣っていても…強者を倒すために最善を尽くす…そこにチームスポーツの醍醐味があると思っています。
そのための重要な要素が「スペーシング」なんです。
選手個々を活かすためには、周りの仲間の位置や距離、準備などが常にベストな状態を“続けること”で、最後に相手をTKOすることがあります。
バスケは本来「4Q」で勝負をつけるゲームです。ボクシングでいう1ラウンド目に、相手選手をノックダウンしても…ノックアウト(KO)にはならないスポーツなんです。
…最終ラウンドまで試合が行われるからこそ…バスケは奥が深いんです。
なので、1発の重いパンチが相手に当たって“一喜一憂”していても…また相手は起き上がってくる…逆に言えば「起き上がれるチャンスがある」…ということ。
バスケでは、1ラウンドKOはなく「TKO」あるいは「判定」で相手を倒さないといけないスポーツなんです。
バスケでいう最終ラウンド「4Q」で、いかに相手が立ち上がれなくなるくらい…試合開始からボディーブローを打ち続けられるか…相手の「戦意」を喪失させるか…その心理戦でもあり、「1発KO」の魅力は味わえないにしても…何度も何度も「ボディー」を打ち続けて、相手に「白旗」をあげさせる…そんな面白味を含んでいます。
スペーシングで、相手が守り難い状態を作り続ける…原理原則はそうですが…私がミニバスで教えたいのは…「仲間のために自分に何ができるか」ということ。
ボールがあるところだけが「プレー」しているのでは、チーム力に限界がある…ボール以外の残り4人が、チームのためにそれぞれの役割を全うした時…本来の「チーム」の楽しさ、素晴らしさを味わうことができます。
「自己犠牲」とは言葉が悪いですが…チームのために、誰かのために…「私」を捨てることができるようになったとき、チームの力は一気に上がる…そんな経験したことある人いるかなぁ~。
「何もしないこと」は“私”を単に捨てているだけなので…そうではなく、「自己中心」から「チーム中心」にシフトチェンジさせていく…そこに「スペーシング」が最高の“教材”なんですよね♪