カメの心
今、新チームに移行する時期でもあり、「基礎」の練習を卒団間近の6年生も含んで行っています。
ミニバスケット(U12)の時期は、全てが基礎のようなものですが、スポーツをおこなう上で必要な「自分の体を思うように動かす」という、この何でもないテーマが実は奥が深いんです。
今、チームの中で、これまで主軸で頑張ってくれていた選手も同じように、この体の使い方をテーマに練習してみると、案外、出来ない子がいるものです。
逆に、普段、出場機会が少ない子や、低学年の子でも、実に上手く体を動かす子がいます。
シュートやパス、ドリブルといったバスケットの技術には長けていても、体の使い方が一部の動作に偏っているなんてこともありますから、しっかりとチェックしてあげないといけません。
これまでのバスケット技術の優劣を無くして、一線にして、この基礎的な動作をさせてみると…実に面白い現象が起きます。
これまで、「この人は上手い!」って崇拝していた子が、なんとも不器用に手足を動かす…この光景は、私の“願ったり叶ったり”のシチュエーションなんです。
「あかん!できひん!」と上級生達の声が体育館に響きます(笑)
それを見ていた「できる下級生」の何とも優越感に浸った顔! ザ・下克上!!!
そうなんです、そんなに違わないんです!
始めた時期の早い遅いはあっても、この時期の子ども達は、頑張ればすぐにやれるようになりますから…お父さん、お母さん、我が息子の“今の光景”を目に焼き付けておいてくださいね♪
どんな子でもいきなり出来ることなんてないので、色んな動き、色んな経験をさせてあげることで、徐々に成長していきます。
アスリート選手であっても初めは同じ。
その同じスタートラインから、少しずつ、少しずつ…の、この差が、時間が経ては「大きな差」になっていくのです。
ですので、普段の練習でも、流しながらやっている子と、今は上手に出来なくても“一生懸命”やっている子、いつの日か、明暗が分かれるかもしれません。
センスも技術に上に成り立つものですから、どれだけセンスがあっても過信してはいけません。
毎日、飽きるような練習であっても、意味を持って取り組んで行けば、自分の体にしみこんでいきますから、「繰り返し、繰り返し…」というのは、ハビットゲーム、習慣スポーツと言われるバスケットにおいては、とても重要なことなんです。
先日、子ども達に「ウサギとカメ」の話をしました。
以前にもこのブログで書いたかな…。
私はカメのようなコツコツと努力することは“大切”であるという大前提はあるにしても、やはりウサギの「能力」は魅力的です。童話であれば、ウサギはカメを馬鹿にして、昼寝をしている間に…といった話でしたが、このウサギが、カメの「忍耐や精神」を身に着けることができれば、カメはウサギにはかなわなくなります。
「心」「技」「体」…「カメの心」「バスケの技術」「ウサギの体」
となると…私はこの「技」を養う意味で、大きな責任があります!
今、真っ白な状態の子どもは、必ずウサギの要素を持っており、そこにカメの心を身に着け、私が「バスケットの技術」をしっかり指導できれば、この「ウサギとカメ」の童話が“意味のあるもの”になると考えています。
努力せずに得られるものもありますが、努力して得たものだから大切にするのだと。
まっ、私はどちらかと言えば…サメじゃなく…カメですね(笑)