マジック通信 2020年6月号
子どもたちは自分で頑張れることをしっかり選び、この3か月間大変な努力を続けて来ています。私たちスタッフも、自分が出来る事を見極め子どもたちの為に自分を律し準備をしています。まだまだ本格的な活動は当然ながら出来ませんが、様々な部分の感覚を呼び起こす作業は、心と体の健康の為に必要になっていると思います。細心の注意を払いつつ、地道な作業少しづつ積み重ねて子どもたちの為により良いプログラムをしていこうと考えています。保護者の方々にも、ご負担をお掛けする事も多いかとは思いますが、何卒、ご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。<(_ _)>
私自身、常にポジティブに物事を考え、過去に立ち返り思いを巡らすという事はあまりしないのですが、この場をお借りして今回の災厄に関して子どもたちに少し伝えておきたい事があります。大きな夢を持った子どもたち、ものすごい努力を積み重ねて目標に到達しようとしていた子どもたちも、そして次の目標を定めながら最後のけじめをつけようとしていた子どもたちも今回の災厄で道半ばで無念な形で終わらざるを得なくなりました。辛く悲しい思いや、口惜しい思いなど様々な思いが心に沸き上がっているはずです。昨年度のマジック男子チームは、子どもたちの頑張りと保護者始めとした応援体制のおかげで東京都のチャンピョンチームとなり、関東大会のチャンピョンチームになる事も出来ました。最後のご褒美となる全国大会はなくなってしまいましたが、彼らには自分たちがこれまで積み重ねた来たものの証明をこれから自分自身がしなければいけないと強く意識してほしいと思います。女子チームも、スタートラインが例年より低いステージからのスタートだったにも関わらず、最後のゲームではプレイヤーとして人としてものすごい成長の跡を私たちに見せてくれました。彼女たちには、自分たちが頑張って得たものを誇りにして、堂々と次のステージに向かって行ってほしと思います。しかし、私が今強く憂うているのは目標に向かって頑張る事が道半ばで出来なくなった子どもたちに対してです。「次のステージで頑張れ!」「この経験が必ず生きるよ」と言われても彼らの心には素直にしみていかないと思います。我慢するということは、その先に希望の光やそれに伴う成果が待っているから出来る事だと思います。私たち指導者は、頑張る子どもたちにその為の道筋を示し、その為の様々な準備を子どもたちにしていく責務があると思います。しかしながら、今回のような天災に近い災厄に見舞われた時に経験値の高い大人は現状を受け入れ、開き直るぐらいの準備が出来ると思いますが、その経験値の低い子どもたちにはなかなか出来ない作業だと思います。さらに、そう言われてもあきらめなければいけないんだと思いが強くなるだけだと思います。私事になりますが、2011年の大災害の時に私の福島のバスケ仲間も大変な災厄にあい、福島の子どもたちも大変な状況に追い込まれました。その時、そのバスケ仲間が「自分たちだけが大変な事になっているわけではなく、世界にはもっと大変な事になっている人たちがいると思うようにした。今自分が出来る事は家族の為に故郷の為に出来る事をやり続ける事だけだと思う」と私に話してくれました。その時に、私は彼の言葉の中に自分に対する叱咤と他者に対する大きく深い愛情を感じました。私は、この言葉の中に、今回の災厄を子どもたちが乗り切るヒントがあると思い起こしました。自分の出来る事は全力で頑張り、出来ないことは出来ないと受け入れて、自分の中に優しく強い気持ちが出来るように心がける。そして、自分の為に何かをしてくれている人たちに対して感謝の気持ちを持つように心がけるようにする。私も、この事をしっかりと心に刻み、子どもたちがより良い方向に進んでいけるように頑張ていこうと強く思っています。<(_ _)>