中学バスケ「一つの区切り」シーズンを振り返って
こんにちは
『引退』という言葉には
いつもさみしい思い出がくっついてくるものです。
1年間を共にしたメンバーとの思い出や成長を少し振り返りたいと思います。
出会い
私が再び中学バスケシーンに関わるようになったのは今から1年と1ヶ月前です。
指導者仲間としてお世話になっていた先生からのバトンタッチで急遽、部活動を見ることになりました。
部活動の引退(一つのゴールとして)は、6月のこの時期で、ほかのコーチが作り上げて来たチームを大人の年度切り替えである4月にバトンタッチするということは指導者として非常に難しい環境です。
さらに、私の場合は5月からの引き継ぎとなって学校や保護者の皆様とコミュニケーションを取るのはもちろん、選手とコミュニケーションを取る時間もあまりなかったと記憶しています。
そんなこんなで迎えた1つ上の代の引退試合で学んだことは、「帯同審判制度の難しさ」です。
現在の審判活動の励みになっています。
そして、「試合中に求められるメンタル」ですね。
チームスローガン
この試合をきっかけに
チームスローガンができました。
『心が技術を超える』
試合を勝ち切るために必要なものは
勝利への飽くなき執念であったり、勝ち切るんだと言う強い心である。と身を持って経験しました。
昨日引退した今の3年生たちには
とにかくそんな強い心を教えてあげられればと思い、
「シビアな環境」「克己心」「環境に左右されないメンタリズム」みたいなものをテーマにハードな練習をして来ました。
そこでも部活動の難しさ痛感する毎日でしたが、
夏合宿あたりで頭角を表して来た素人軍団がチームビルディングをして行きます。
文字通り、技術ではミニバス経験者に劣っていた彼らがまずハードに取り組んだことは「走る」こと。
タイトなディフェンスをとにかく続けること。
チームの価値観はそれに尽きました。
環境設定の難しさ
部活動の難しさは、マルチタスクで課題を進めて行く事、どう言うことかいうと練習環境は常に完璧ではなく、場所や時間を思うように取れないことにあります。
部員数に対して環境が追いつかない
部員数に対して練習時間を確保できない
ボトムアップを目指す上では
致命的な課題でした。
1つ1つ課題をクリアしていく、と言うところで活動を進めました。
基礎などファンダメンタルな部分はチーム全員で取り組めるが、そこからの戦術面やシステム面の練習においてボトムアップ方式をとると圧倒的に時間と機会が足りない。
私の根本にある考えは、全員出場のプレータイムシェアです。
うまい選手を伸ばすことは言ってしまえば誰でもできることで、そうではない選手をどの水準まで持ってこれてチームの武器として居場所を作ってあげることができるかが重要です。
だからトップダウンで、同じメンバーが試合にで続けているなんてチームにはしたくなかったし、色々なメンバーに対してチームがチャンスメイクできるような準備はしたかったです。
バスケットの面だけでなく、勝ち続けていくチームになるために変えなければいけない部分も非常によく耐え、忍びました。下級生やプレータイムの短い選手のためにメンバーは何ができるのか。また、リザーブの選手はどんな思いでそれに答えなければいけないのか、選手は悩みながら、しんどい思いをしながら戦ったと思います。
でも、実際には現実は難しく、
選手間でのモチベーションには差ができてしまうし、
シビアな局面ではやはり戦えるメンバーには限りができてしまいました。
でも、そこで非常によくチームを支えてくれたのはリザーブの選手で、
チームのために戦うことがどう言うことかと言うのを表現してくれました。
『オンザコートのメンバーがしんどい時にベンチも一緒にしんどい思いをしよう。チームの流れが来た時に一緒にゲームを盛り上げていこう。』
チームの流れを作るのはいつだってベンチメンバーであると私はプレーをしながらも思っています。
オンザコートのメンバーができることは、目の前の勝負1つ1つを勝ち切ることで、その連続がチームの流れを作っていきます。
しかし、チームの流れに乗るトリガーとなるのがGOODプレーだったり、しんどい中のFINEプレーなんです。
チームのGOODプレーはスキルが作るかもしれないですが、FINEプレーはそうではありません。
育成年代で学んで欲しい『FOR THE TEAM』
『FOR THE TEAM』
この心から出てくるんだと思います。
ゲームの中で痛い思いはしたくないし、
苦しい思いもできればしたくないのが人間です。
上手いことやって勝てれば一番。
でも大事な局面で身を犠牲にできるのは、
『FOR THE TEAM』
チームへの信頼なんだと思います。
これはチーム全体で作るもので
選手の背中を押すのはベンチの声援だと思います。
このチームは
冬から急成長を遂げました。
今ままで積み重ねて来たスタイルのバスケットがしっかりと積み上がり、素人軍団が作っていた雰囲気がチーム全体に広がり、キャプテンがそれをしっかりと背中で示したことでチームがようやく完成して来ました。
実力は十分に高みを目指せるレベルまで、
ただ、最終的にはタイムオーバーで
『勝ちゲーム』の作り方まで教えてあげることができなかったと今では反省をしています。
でも、確信していることは
シーズン初期に立てた目標を達成するまで追求し続けたプロセスは無駄ではなく、そこの達成までのアプローチで私に課題があったわけで、選手たちはその後しっかりとチームを完成させてくれたこと。
そのあとの精度を上げる部分、磨いていく部分に時間を割くことができなかったのは私のマネジメント力の問題で、成長は確実にあったこと。
最後に
育成年代では、
次のステップにつながる指導をしましょう!と言う大きな課題があります。
私のチームは確実に次につながるチーム、選手に成長してくれました。
高校の指導者としても申し分がないほどいい選手たちで
私が関わる高校に入学して欲しいくらいです。
外部指導員という立場で、ほかのチームを見ながらメインコーチを行うことは非常に難しいです。
でも、学校、保護者いろいろな方と一緒に歩むことができたおかげでなんとかやっていくことができました。
出会いに感謝しなければいけないし、
この『縁』はずっと大切にして、これからの選手たちの活躍をずっと見守っていきたいと思います。
この1年間、とても幸せな環境でコーチングをさせていただき、深く感謝しております。
ありがとうございました。
バスケ指導シーン、子どもの育成シーンに携わっているコーチが配信しているブログの情報などを配信しています。
谷村 蓮(たにむら れん)
世田谷区出身。25歳。小学生からバスケを始めて現在は社会人リーグでも活躍中。大学在学時、アメリカに留学。バスケットをより深く学ぶ。現在はプレーをしながら都内の小学生~高校生まで指導。日本バスケ協会公認コーチ。日本体育協会公認指導者。スポーツインストラクター。東京都放課後児童支援員。東京都高体連外部指導者。
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