初心者にはスライドステップを教えるな!?
こんにちは。
今日は指導的なことを書いてみたいと思います。
初心者にはまずスライドステップを教えるべきではない!!!
という結論からいきましょう!!!
スライドステップの使い道を考える
【初心者への指導という想定を忘れないでくださいね!】
まず、スライドステップは「コースに入るために必要な技術」であることを忘れてはいけないですよね!
さぁディフェンス練習!!!という時にディフェンスフットワークから入ります。
大抵の練習ではスライドステップだったり、クロスステップなど基礎的な足の動かし方だったりを練習しますよね。
初心者にとってスライドステップは日常にない動きなので新鮮ですよね。
私も初めてバスケを習った時に
『なんだこの謎のステップは!?全然早く動けないぞ!』
と感じました。
きっと皆様も感じたと思います。
でも当然ですが、バスケットのDFに許されているフィジカルコンタクトは
・相手に正対している状態
・シリンダーを犯さないこと
・OFより早く位置を占めること
ですから、スライドステップを瞬時に踏む必要がありますよね。
正対した状態での横移動の速さが求められるわけです。
「スライドステップ=DF」問題
スライドステップは、DFの足の運び方なんだ!
つまりDFをする時はスライドステップを踏まなければいけないんだ!
と勘違いしてしまう初心者が非常に多いと思います。
さらにはスライドステップはDF専用のフットワークなんだ!
とOF面で全くスライドステップ(横移動のフットワーク)が繰り出されない現象を引き起こします。
初心者の人で、DFをしないさいと言われて一生懸命スライドステップをする!
そんな光景ありますよね。
半分正解、半分不正解でした!!!!
大切なことはリングを守ることです。
そのためにはまず、「抜かれてはいけない」という考え方が大切です。
この独特なファサライゼーション(fossilization=化石化)
しみついて離れなくなってしまう不必要な習慣は身に付けさせないか、早くに取り除いてあげるべきだと思います。
カワイ・レナードのDFを少し参考にしてみましょう。
派手なブロックなどはさすがですが、どのような足の運び方(繰り出し方)をしているか、どのような角度でDFが動いているかなどに注目してみてください!
抜かれないようにするというのはバスケットだけのDFの考え方ではありません。
特にサッカーなどのスポーツでも抜かれてはいけないというような形でゴールを守っています。
サッカーはコートが広いので少し参考にはならないかもしれないですが、
バスケでも最近は横移動だけで守るのではなく、バックラン(バックステップ)やショートスプリントを入れて後ろに下がりながら守りましょうという考えが普及し始めています。
サッカーの場合、バスケット以上にコンタクトが許されている(体を入れる角度など)のであまり参考にならないかもしれないですが、相手の進行方向に対して先回りをしてボールだけクリアに触れていくというところはバスケットと変わりません。
バスケはさらにこのようなショートスプリントを短い距離で入れて守っていけば抜かれることはないですよね。
一方NBAでは、
もはや「抜かれてもOK」とされています。なぜかというと、彼らはショットのところで止めればいいと考えているからです。
確率の悪いショットに持ち込ませるというのがNBAで大切にされていること、例えば昨シーズンのGSW対策として敷かれたDFは、高確率なスリーポイントを打たせないよにしてドライブをさせ、フローターやジャンプショットなど確率の低いシュートを選択させるというものでした。
日本の育成年代にこの考え方はマッチしないですよね。
まず、ショットまで持ち込まれたら大抵負けます。カバーDFが機能し、アウトナンバーを作られます。(NBAでもこれは同じ)最終的に高確率なゴールした付近でのショットに繋がるでしょう。
だからこそ、確率の低いスリーポイントライン一歩後ろもしくは一歩前からのジャンプショットを選択させるべきなのです。
抜かれないということを求められるのです。
なぜ抜かれる??
せっかくなので、DFの失敗について注目します。
まず、抜かれてしまう選手の特徴
・ネガティブステップを踏む
・距離感をつかめていない
・ボールを追っている
ざっとこんなシチュエーションが想定できます。
当然実力差が存在した上で、このような原因があるのではないかと思います。
ネガティブステップ
一般に「足を引いたり、進行歩行でない足から進む」ことをさします。
最近のスライドステップは、両足が床面に設置している時間を短く(足を動かしながら)進行方向から繰り出していくことを大切にしています。
また、床面をキックするというよりは、足を持ちあげて半歩先に足を置いていくイメージを持って行うと良いでしょう。
これは、日々の練習の中で意識をつけていかなければ改善されません。
癖になってしまうと正しいフットワークはいつまでたっても身につきません。
基礎練習を実践練習に繋げることを意識して行ってみるといいでしょう。
距離感をつかめていない
間をつかめていないということになります。
DFの適切な距離感は「1アーム」と言われていますね。腕一本分の距離です。その原理は、シュートにもドライブにもパスにも対応できる距離、つまりボールにいつでも届く距離ということになります。
当然ですが、バスケはOFに圧倒的なアドバンテージがある競技です。簡単には守れません。この距離の測り方というのが非常に大切になります。
相手のシュート、パス、ドライブ全てを止めることは力の差がなければ難しいです。
なので大抵はドライブかシュートのどちらかを止めにいきます。
そのための距離感は自分の実力と相手の実力から計算してはかるべきなのです。
ボールを追っている
OFの目線で考えてみましょう。
ボールを振る、動かすなんてことは9割フェイクですよね。
釣りに例えると、ボールなんて餌ですよね。
なぜ、ボールを追ってはいけないかというと、
重心移動の問題です。
ボールを取りに行くという行為は重心が前に移動されます。
当然ながらOFはDFの後ろ方向に向かって進行してきますので、重心が前にいった状態で後ろに下がるステップが繰り出せるわけがないのです。
当然、抜かれてしまいますよね。
まとめ
初心者にはスライドステップを教えない
ということではなく、
まず前提となるリングを守ってみよう!というところをしっかりと教えてあげるべきでしょう。
スライドステップに限らずに、クロスステップやバックランもどのような局面でどのように使うかを指導した上で、技術的なステップの練習をした方が良いのです。
まずは、抜かれないためにどのように守ってみようか?
リングを守るにはどうすれば良いか?
を考えてみることが初心者の選手には大切なステップなのかもしれません。