ミニバスの技術指導(14)
ルーズボール②
さて、「もやもやの状態」その2はルーズボールです。ルーズボールとは、ボールキャッチに失敗したり、ドリブルをミスしたり、シュートやパスを相手にはたかれたりで、持ち手を離れたボールのことです。床にころがっていること多いです。どちらのチームのものでもないですから、先にルーズボールに到達して自分のものにしたチームが攻撃権を得ることになります。
ルーズボールは考えるよりもたくさん試合に登場します。なんなら、試合中ずっとルーズボールの取り合いっこをしていることもあります。そして、当然のことですが、リバウンドもルーズボールも、取りにいかなければ一生取ることはできません。離れて立って眺めていて、自分のところに運よくころがってくることは決してありません。
不思議なことですが、ルーズボールやリバウンドは、突進していく子と、まったく傍観している子がいます。これは天性のものだと思います。背が高くシュートは上手でもリバウンドには興味を示さない子と、背が低く技術はないけどやたらボールをひらいに言ってくれる子がいたとしたら、試合に出せるのはもちろんあとのほうの子です。
リバウンドはその重要性や取るテクニックとかも教えられるのですが、ルーズボールを取りに行くのは格闘技の闘争心のようなものですから教えようがありません。「もっとボールに飛び込め」とははよく使う表現です。たいていの子はぽかんとしていますが、本当に床にダイブして取りに行く子もいます。
頭から飛び込んで寝ころんだ状態でボールを取ってもトラベリングにはなりません。そしてその体制でパスをしたりドリブルをするのもOKです。ただし、ボールを持ったまま立ち上がったり、ごろごろ転がるとトラベリングになります。なので、ころがった状態でドリブルを始めて立ち上がる練習をさせておくと「このチームのコーチやるな」って感じですね。(ダイビングはしない)