「走覇」 丸山
「走覇」
国士舘高校女子バスケットボール部に携わって約5年が経ち、
これから最後の大会が始まります。
小学5年生の頃に初めて新井先生と会い、
私はその時にもう国士舘へ行くことを決めていました。
そして国士舘中学校に入学し、中学1年生の6月から高校の部活に参加し始めました。
夏はバスケ部とは思えないくらいスカイコートで日焼けをして、
冬は雪かきから始まる寒い中の練習。
人数も少なく、スカイコートは陽が沈むと遠くの方はほとんど何も見えず、
もちろんボールも人も見えなくて位置を確認できるのは声のみ、
そういう環境でした。
そんな中、うまく行かなくてもできるまで何度も何度も挑戦し続けて、
どんな壁にぶつかっても乗り越えようと頑張る先輩たちを
中学校の3年間で見てきました。
そういう景色を見て経験をさせてもらえたことが
勝つ上で必要なことであり普通の学校生活をしていたら
経験できなかった素晴らしいことだと今は思います。
当時はしんどくて行きたくなくて体育館の扉の前まで行って帰ったことや
次の日が来るのが怖くて眠れなかったこともありました。
けれどそれを乗り越えられたから今の私があると思います。
私が頑張れる理由は二つあります。
一つ目は先輩たちの想いです。
目標達成のために汗水垂らして倒れるまで走ったり、
仲間と言い争ったり、陰で泣いていたり、もがき苦しみながらも
歯を食いしばって前に進み続けた先輩方の努力の結晶を
私たちは新人戦、関東大会予選で負けてしまい、
ベスト32のシードを落としてしまいました。
必ずベスト32を取り返し、目標であるベスト16を掴み取らなければいけません。
二つ目は応援してくれる人がいるからです。
先輩、友達、家族、先生、繋がりのある人みんなが試合や練習に来てくれたり、
連絡をしてくれたりしています。
【応援されるチームになる】という目標がこの部活にはあります。
しかし、今の先輩方の気持ちは応援だけではなく、
『願い』だと思います。『ベスト32を取り戻してほしい。失わないでほしい。』
であり、
『目標に向けて頑張れ!』ではないと思いました。
先輩方を1番近くで見てきたからこそ、私はこの想いや願い、期待に応えたいです。
そのために私はキャプテンとして、国士舘高校を長く見てきた者として
誰よりも頑張らなければなりません。
1年生の時から試合に出させてもらっていた意味、
自分のやらなければいけないことを考え、全うしなければなりません。
【2年中心に動け】そう言われ続けて悔しいです。
私は新井先生を見返したいです。
【勝てば文句ない】新井先生はよくそう言います。
新井先生を見返すために、先輩たちの願いを叶えるために、
自分たちの目標を達成するために、今からできることはあと勝つだけです。
チームがバラバラでまとまらない、どうしたらいいのかわからない、
部活に行きたくない、キャプテンになってから考える悩みは多すぎて、
簡単に解決できるものは一つもなく言語化できるものではありませんでした。
そんな私ですがついてきてくれる仲間がいます。
コートに立つのは二年生の方が多いです。
最後一緒にコートに立てないかもしれない、
けれど同じチームで同じ場所で2年間共に過ごしてきた三年生たちのためにも
私はリングへ向かい続けます。
最後は悔し涙ではなく
嬉し涙で終われるように。
そして、朝早くからお弁当を作ってくれたり愚痴を聞いてくれたり相談に乗ってくれた家族。
体のケア、怪我の治療、リハビリ、メンタルケアをしてくれた春田さんと中塚さん。
キャプテンやチームとしてアドバイスをしてくれたり相談に乗ってくれたり、
女バスのために朝練、裏のサポートをしてくださった阪川先生。
うまく行かない時に選手の目線に合わせてアドバイスをくれたり
落ち込んでいる時にいつも寄り添って元気づけてくれた滝澤先生。
約5年間、家族よりもチームメイトよりも誰よりも長く関わってきた新井先生。
大人は理不尽でたまによくわからないことを言うけれど本当に感謝していてみんな大好きです。
この感謝の気持ちは一生忘れることはありません。本当にありがとうございます。
目標達成するために、キャプテンとしての責務を全うするために
最後まで走り続けてこの国士舘高校でのバスケットボール人生を走覇したいと思います。
この5年間の想いをぶつけて全力でベスト16を掴み取りに行きます。
応援よろしくお願いします。
丸山 朝妃