『刹那』 白水
『刹那』
バスケ部に入部してから現在までは長いようでとても短い時間だと感じた。
振り返ってみると色々なことがあり、濃いバスケ生活だった。
高校に入学して部活は迷う事なくバスケ部に入部した。
元々バスケをしていたことと中学生の時にお世話になった先生が
阪川先生の先輩ということもあり、
部活体験もせずにいきなり本入部届を提出した。
部活に入ってみると毎日のようにランニングロードで走り込み、
階段でのトレーニングなど地味で辛いメニューばかりで
いきなり本入部届を提出した事を何度も悔やんだこともあった。
しかし、自分で決めた道は最後までしっかりとやり切ると決めていたので
その通りの自分に近づいていると感じている。
2つ上の先輩たちが引退して代が変わった時に
自分は全然上のチームに上がることができなかった。
そんな自分の楽しみといえば上のチームの人と戦う時のDFだった。
自分はDFが大好きなので相手を止めることだけを考えていたが、
DFだけやっていても上のチームに上がることができずに
ずっと下のチームでプレーしていた。
そんな中、上の人たちのプレーを見るのはとてもワクワクして楽しかったし、
自分たちの声出しによって盛り上がるもいいがやっぱり一緒にプレーしたいと思った。
あっという間に先輩たちの引退試合を迎え、
その時もベンチから声を出すことしかできず、とても悔しい思いをした。
そして、自分たちは先輩たちが成し遂げることができなかった
東京都ベスト32を受け継いでついに自分たちの代がスタートした。
新チームのキャプテンに任命された時は正直、実感が湧かず自分につとまるのか、
とても不安が大きかったが、それと同時に
先生や親や部活のみんな、保護者の方々に激励をもらい、
自分のできる事をしっかりとやり続け、
良いチームをつくり上げていきたいと強く思った。
しかし、現実はそう簡単にはいかず数えきれないほどの壁があり
途中で逃げ出しそうになる事がたくさんあった。
その度に先生やみんなと向き合い、投げ捨てることなく
ここまでキャプテンとしてやり切ることができていると強く思っている。
普段はふざけてばかりでヘラヘラしていて、
試合で点が取れなくてもみんなが「キャプテン」と呼んでくれることが
何気無いことだったがとても嬉しかった。
辛いこともたくさんあったがそれ以上に喜びや嬉しさがあり、
今となってはキャプテンに選んでくれたことや
本当の意味でのキャプテンにしてくれたみんなには感謝しかない。
その感謝を言葉だけではなくしっかり背中で示していきたいと思う。
自分たちにとっては最後の大会、バスケ人生最後の集大成として、
東京都ベスト32を目標にして達成できなかった先輩たちのために、
どんな時でも一生懸命自分たちを応援してくれた保護者のために、
日々自分たちのために動画を送ってアドバイスしてくれたり
体のケアをしてくれている中田さん中塚さんのために、
日々人生を削って真摯に向き合ってくれている阪川先生のために、
そして何より自分のためにいつも早起きをしてくれ弁当を作ってくれたり
部活に集中できるような環境を作ってくれた両親のために、
自分たちの目標であったものは、同時にみんなの目標と変わりつつある。
今までやってきてもらった分、今度は自分がみんなに返せるように、
「人は人のために行動する時が1番力を発揮する」
という先生からもらった言葉を胸に目標に向かって突き進んでいく。
最後に・・・このチームで過ごした時間は本当にあっという間だったが
とても充実して一生の思い出となる2年と少しだった。みんなありがとう。
今までにないくらい長い大会にしよう!絶対勝つぞ!
白水