バルサから学ぶ
2019/11/28 11:34
バルサはサッカーで有名なFCバルセロナの愛称です。私は以前バルセロナ日本人学校に勤務していたことがあるのですが、当時はあまりサッカーには興味がなく、バルサの試合を観に行ったのは1回だけです。
バルセロナ日本人学校では、バルサのユニホームを着て学校に通ってくる男子が多いのです。憧れで着ているのではなく、聞いてみると何とみんなバルサのチームに所属しているのです。
入部するとセレクションがあり、学年に関係無く5つのレベルに分けられます。能力別というのが特徴ですが、各レベルに応じてリーグ戦があるので、すべての子どもたちが試合に出ることができるのです。バルサの凄いところは、レベルAであってもレベルEであっても優秀なコーチが教えることです。高いレベルには優れたコーチとなりがちですが、むしろ逆であるという話を聞きました。
ある時日本人学校に、視野が狭く弱視の小学校1年生が入学してきました。学校の体育の時間も配慮が必要でした。何とある日、その子がバルサのユニホームを着てきたのです。その子に聞くと、「僕、バルサに入ったんだ!」と誇りを持って答えました。
私は耳を疑いました。私が観察する限り、その子はボールを追って走ることはできないはずです。
しばらくして、バルサはどう?と尋ねると「この間コーチに褒められたんだよ。君はキーパーの才能があるって言われたんだ!」
その男の子の輝いた眼が忘れられません。
あの世界一強いと言われているバルサが、子どもたちの誰にでも門戸を開いていることは、あまり知られていません。
バルサのスタジアムであるカンプ・ノウに行くと、5万人のフアンが熱狂します。その殆どがバルサのチームにかつて所属していたことを考えると、バルサが強いのは当たり前のことかもしれません。
小学校時代のスポーツは底辺を広げることです。ミニバスケットチームが全ての学校にできるのは、果たしていつの日のことでしょうか?
(小島)