バスケットボールの楽しさとは
桜町Wingsの4年生の女子が、引っ越しのためチームを去ることになりました。
お母様のお話では、「バスケットを続けたい」「自分だけ東京に残りたい」と最後まで言っていたそうですが、そうは行きません。
今までいつも楽しそうに練習に参加し、ひたすら努力を続けてきました。コロナ禍の影響で満足に練習はできませんでしたが、確実にバスケットが上手くなってきた矢先のことです。
少ない4年生と低学年のチームでしたので、試合では大差で負けることも多く経験しました。しかし、その子は家に帰ってくると、「すごく楽しかった!」と言っていたそうです。
私はこの話を聞いて、コーチとして何を求めて来たのか?いや何を求めなければならないか?を教えてもらったような気がします。
6年生と戦いながらボールがほとんど運べなくとも、ディフエンスを頑張っても自由にシュートを打たれてしまっても、その子は無我夢中でバスケットに没頭してバスケットボールを楽しんでいたのです。
私がコーチとして何に没頭していたかというと、何とか差が開かないようにどうしたらいいか、何とか点を入れるために何をするかということばかりを考えてしまいました。しかし、その子は大差で負けている試合の中で、本当のバスケットの楽しさを実感していたのです。
「バスケットボールの楽しさとは何か」この質問に今までは答えることができました。しかし、今は言葉で表せなくなってしまいました。それは一人ひとりの子どもたちのバスケットボールに対しての思いや考え方が違うからです。そして、コーチとしての使命は一人ひとりの子どもたちの思いや考え方を、いかに育てるかということだと思います。
一人の部員との別れから私は貴重なことを学ばせてもらいました。
長い間、コロナ禍で練習ができませんでしたが、4月に入りやっと練習が再開します。バスケットが楽しいと感じる子どもたちをたくさん育てていきたいと思います。(小島)