カバレッジ/coverageって何?バスケットボールディフェンス用語
【カバレッジ/coverage】
カバレッジとは、ディフェンスの手法のことです。
参考:てらこやNBA#34戦術:ハードショーでみるNBAの現代史 後編
バスケットボール以外でも、アメリカンフットボール(NFL)やアイスホッケー(NHL)などアメリカ発祥のスポーツのディフェンスで使われる用語です。
バスケットボールでは、オンボールピックプレイに対する時に良く使われます。
coverage(カバレッジ)を翻訳すると、「補える範囲」です。
【vsストックトン&マローンのPnRカバレッジ】
現在のNBAでは、オフェンスの25%以上にPnRが使われています。
1990年代はユタ・ジャズのジョン・ストックトン&カール・マローンのコンビによるピック&ロールが有名でした。
当時はカバレッジが確立されておらず、オフェンスのパターンが限定的だったにも関わらず、止めるのは困難でした。
1、マローンのダイブからのダンク
2、マローンのポップからのミドル
3、ストックトンのミドル
※プラスしてスリップ、リピック、リジェクトなども散見されますが、基本は上記の3パターンです。
これに対するディフェンスの対応は、2対2で頑張る。
ノーマークが生まれたら、三線がヘルプにいく程度だったと思います。
現代のアイス&ドロップカバレッジを使えば、止めることは可能だったかもしれません。(全部は無理ですよ)
まず、ハンドラーディフェンスは、アイスでストックトンをウィークサイド側に追い込みます。
次にピックマンディフェンスはドロップで、ストックトンのドライブとマローンのダイブを両方ケアしながら守ります。
おそらくマローンはポップアウトしてのミドルシュートを狙ってきます。
それに対しては、あらかじめプリローテートした三人目のプレイヤーがインターセプト(少なくてもマローンにミドルをうたせない)を狙います。
マローンはプリローテートにきたディフェンスがマッチアップしていたノーマークのプレイヤーにパスを出すことが想定されます。
そこを玉突きしきのローテーションで防ぎます。
ストックトン&マローンのピック&ロールで完結させるか?
三人目を絡めて、違う選手にポゼッションを使わせるか?
どっちの方が、ディフェンス目線で失点期待値が低いか?という選択肢になります。
【カバレッジの種類】
昔は、スクリーンプレイに対して、ファイトオーバー、スライドスルー、スイッチと三種類しか存在しませんでした。
現在は、下図のようにボールマンディフェンスの動きとスクリナーディフェンスの動きの組み合わせで細分化されています。
参照:バスケットボール研究第5号(日本バスケットボール学会、皆川孝昭様)
【四大カバレッジ】
〇レッド
名称:トラップ/ブリッツ
ボールマンディフェンスの動き:ボールにプレッシャー(ダブルチーム)
ピックマンディフェンスの動き:ステップアップしてボールにプレッシャー(ダブルチーム)
特徴:ハイリスク・ハイリターン(サイクロン系)
〇ブルー
名称:アイス&ドロップ
ボールマンディフェンスの動き:アイス…
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