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不登校に悩む方へ

2019/11/08 13:59
  

不登校に悩む方へ

 

不登校・・・学校への登校を様々な理由から拒否している児童生徒のことを指します。学校生活だけに限らず、日常生活などの様々な環境に不登校の可能性は潜んでいますし、誰しもが不登校になる可能性を持っています。

 

私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、私が経験している「体験」を少しでも多くの方に伝えて、子どもたちが伸び伸びと成長できる環境を大人たちが協力をして作っていきたいからです。

 

 

 

 

私の話

なんで バスケットボールのコーチが不登校について記事を書いているのかということについてですが、私はもともと児童福祉に従事する人間で、法人を立ち上げてからも子どもの育成や成長環境にて仕事をしています。ご存知の方も少ないと思いますが、様々な環境で子どもを伸ばしていく、安心安全に成長を支えていくというお仕事を多方面でさせて頂いております。

 

そこで、昨年からお世話になっているのが、不登校の子どもたちと関わりを持ちながら豊かな成長をアシストするお仕事です。
私の中では初めての試みでしたし、今まではどちらかというとスポーツで遊びをオーガナイズしたり、児童保育だったり、スポーツ指導が中心だったので初めはギャップがありました。
しかし、今となっては訪問で関わりを持つお仕事なんかもしているくらいにこの分野のことが色々わかってきた気がします。どんな子どもだって、どんな人だって、どんな仕事であってもまずは人間と人間の部分での対話が大切であるということを胸に活動をしています。

 

プロフェッショナルとして子どもたちと関わり、成長をさせることが私の本業であるので、そういった観点でこの記事を読んで、周囲の方にシェアしてくれると嬉しいです。

 

 

 

不登校の実情

「うちの子が不登校になってしまった」

 

親御さんからするととても大きな問題であると思います。
子どもが登校を拒否している・・・どうしよう・・・と次の対策、不登校に関するデータや知識、様々な情報を得ようと試行錯誤すると思います。

 

まずはデータについてですが、皆さますでにご存知ですよね。
インターネットで検索をすればいくらでも実情に関するデータは手に入ります。

不登校になってしまう子どもの数は年々増加傾向にあり、対応も行き届いていません。
検索をすればこの辺のデータはすぐに手に入ります。

 

また、
不登校の傾向にある「予備軍」と言われる子どもたちの存在についても言及されています。



この辺りのデータに関しては、文科省や関連機関のウェブサイトから引用しています。

 

 

 

不登校の実態

実際に不登校と一概にいっても様々なタイプが存在します。
今の日本ではそれぞれをカテゴライズ、グルーピングをして呼んでいたり、傾向から推測を行なって対応をしていますが、だいたいどの団体も同じような分類、対応をしていると思います。

 

不登校の原因はだいたいこの上の図のような理由です。
この際に大切なことは、どんな理由で不登校になるのかやそのパーセンテージではなく、中学生などの思春期を迎えた子どもにとって人間関係や生活習慣などの日常生活がいかに大切であるか、いかに周囲から影響を受けてしまうかという部分に目を当てることが大切だとわかります。

そして「予備軍」とあるように、いざ刺激を受けた時に自らの力で打開できる力を備えているかがポイントになってくるでしょう。

 

こちらは書籍ですが、いくつかの傾向に関する対応や不登校のステージわけなどによってわかりやすくいくつかの専門知識が紹介されているのだと思います。

 

ですが、問題に気づいても既に形は作られているので課題を解決するのは少し難しいと思います。環境からの要因は長い年月をかけて構築されていきますので、問題を取り除くというよりは「不登校」の周りの人間が皆「成長」することが解決の道だと私は最近考えるのです。

 

だって、人間はみんなそれぞれで傾向を割り出すことができても
その人を分類することなんてできません。あくまで全てケーススタディであり、全てをデータ通りに判断してはいけないのです。

 

私が尊敬する文化人類学の大学教授(私の指導教授)がいつもいっていた「オリエンタリズムに騙されない、惑わされない」と全く同じことで、印象や傾向や文化や政治に騙されて人間の本質が見えなくなってはいけないのです。

 

不登校を複雑にしているには、
まず不登校メガネ」をかけて不登校児を見てしまう周囲に問題があるのです。

 

 

これは私がいつも感じていることで、
子どもは大人が求めるように成長し、生きていきます。

その期待に答えられるか、答えられないかのギャップの間に自尊心を持って生きていきます。素直でない子どもはどこか認められない不完全燃焼感のある気持ちを表現できずに、「悪い子」になったり、「捻くれ者」になっているのでしょう。
もしくは、反抗することで何かを示しているのかもしれません。

 

私の印象では、不登校の子どもはとても「良い子」が多いです。
根本には、優しい心を持っていたり、何かに一生懸命に頑張れる心があります。

 

 

大人は不登校の子どもの状態を見てこのような分類をします。心理的な状態に名前をつけて、何をすれば良いかなぁと判断する材料にします。
悪いことではありません。

 

ただし、私はいつも思うのです。
子どもの心なんて天気と同じくらい変わります。心を変えられる人間、影響を与えられる人間は、その子どもが魅力を感じる人間だけです。

 

忘れてはいけません。子どもの成長は一瞬なんです。
大人は長いこと時間がかかります。それだけ純粋ではないからです。
子どもはいつだって純粋ですし、純粋でなければ引きこもったりしません。

 

この分類を用いるのであれば、前駆期子どもを救えるヒーローが必要、ということだけです。

 

 

 

不登校の背景

不登校になってしまう背景には多種多様な問題点がありますが、
結論として不登校にしてしまうのは周囲の大人が原因です。

 

というのも、直前で食い止めることができます。
休ませてしまうのは学校と家庭の両方に要因があります。

しかし、大切なことは誰が悪いかではありません。

 

背景としては、家庭環境(DVやネグレクトなど)が要因であるケースや昨今取り上げられている子どもの貧困問題であること、学校でのいじめなど人間関係など多岐に渡ります。

 

全く同じ環境で育つ子どもはいないのでその子ども自身に合わせて育てていくことは大事ですが、スタンダーに合わせることも大事です。このスタンダードこそが厄介ですが、同じ子どもがいないように同じ環境というものも存在しません。
親御さんの経験だけで決めつけてはいけないですし、テレビやインターネット上の情報を鵜呑みにしてはいけません。

 

冒頭でも触れましたが、人間同士の対話が一番大切です。

 

背景にある課題や出来事をしっかりとキャッチアップすることは大切です。
問題背景未来への成長材料変えるということが求められます。

 

例えば、ネグレクトの兆しがある家庭に、子どもに合わせて生活をするようにアドバイスをしても意味がありません。かといって、子どもに意思がなければ施設に預けてしまうのも残酷です。子どもにはいくつかのチョイスがある中で腹を括って選択をし、覚悟をしてたくましく生きる術を身につけていかなければいけないのです。

 

ネグレクトというと一見かわいそうに思えるかもしれないですが、その環境にうまえれている以上は周囲と比較して卑下することもなければ、たくましく生きていく他ないですよね。もちろん、そうでない家庭と比較してしまうと少しハードな部分があるかもしれませんが、そんなことは本来は比較する必要がないことですから、気にしても仕方ありません。

 

なんだって成長材料だと捉えれば未来はポジティブです。

 

 

ただし、不登校である実情だけはどう考えてもポジティブには捉えることができません。

 

欠席が多くなれば勉強に遅れが出ます。
出席日数が足りず、進路に影響が出ます。(選択肢は狭まります)
友達との人間関係や社会集団との間に距離ができます。(次第に深くなります)
かつての生活からどんどんかけ離れていきます。
焦りはやがてストレスとなり自分に襲いかかってきます。

 

これだけの要素をもつ環境に子どもを落とすことができるのか?
少し考えてみたいです。
1日だけ・・・の休みが1週間、2週間と延びていき、気がつけば1年・・・そんな感覚が容易に想像できます。

 

 

 

それぞれの対応

 

だんだんと延びていき、ブランクとなってしまう学校生活・・・。
しかし、社会は誰も待ってくれません。それが今の日本のスタイルです。

背景のところで触れましたが、
いざ不登校になる子どもを前に学校の先生は無力です。多くの場合は無力なのです。
そして近年の教育方針により、登校を強要できないというのも新たな問題だと思います。

 

不登校になり、一般的な学校社会から外れてしまう・・・
今こそフォローの体制はできています。
フリースクールや支援教室・学級、支援校、チャレンジスクールなどかつてと比べると不登校だった子どもが社会に戻るために頑張れるステップというのは整ってきています。

あえてそれらの支援機関を復帰と私は呼びません。
なぜかというと、そこはステップに過ぎず、そのさきに社会復帰というプロセスが待っているからです。

 

 

学校は無力であり、不登校は容認するのにそのあとの肝心なケアもできません。
学校の規模にもよりますが、だいたいのケースでは対応までは行き届きません。
このような切り口で話していると私が学校に不満を抱いているというような感じになってしまいますがそうではありません。

 

私はバスケコーチであり、バスケのコーチングで生計を立てているところがあります。
つまりは、バスケの指導においては誰にも負けてはいけない、プロフェッショナリズムを持っています。
私のコーチング哲学は、選手のレベル(チームのレベル)に合わせて適切な指導をすることであり、必ずしも勝ちたい訳ではありません。
その中で子どもを育むという、人格や情操教育、礼儀を教えること、社会にでる上で必要なデュアルキャリアを形成することはコーチというより、子どもと関わる教育者の務めであります。

 

学校の先生も同じです。教科を教えるプロとしての教育を受けて、テストを受けて合格し、学校に配属されて、現場で職務を全うします。もちろん、教育者としての責任はコーチと同じです。

 

コーチも教師も教育者として責任を果たすか、果たさないかは常にその人個人に委ねられている部分ですし、子どもを魅了し、その子どもに絶大なる影響を与え、メンターとしてその後の人生でさえも影響でする『グレートコーチ』『グレートティーチャー』がどのくらいの人数いるかなんて考えてみればわかります。

 

学校あたり、1人2人いるかいないかだと思います。
この先生に人生変えられた・・・と思える体験や経験ができることはこの上なくラッキーなことです。

 

 

だから、学校に期待をすることなんて間違っているのです。
学校の先生の大半は、役所で座って事務をしている人と変わりはないのです。

 

では、どのような対応が望ましいのか考えてみましょう。
お子さんの歩みに一番詳しいのは家庭で間違いありません。
しかし子どもは2つの顔を持っています。
1つの顔だけで子どものことを判断するのはいけないですね。

 

そんな時が私のような人間の出番だと思うのです。

 

 

対応として気をつけたいことは、

・孤立をしない(させない)

・社会から離さない

・生活を変えさせない

 

この3点は子どもだけでなく、家庭にも言えることです。
まずは一番身近な人の心のケアです。
次に、家族でもなんでもいいですので社会から逃さないことです。
最後に、生活を乱れさせないようにすることです。

 

この3つを無くさないような対応が大切だと思います。
しかし、人に委ねてはいけません。
誰かにやってもらおう、助けてもらおうでは人の心は動きませんし、誰も救われません。

 

 

 

私の対応

 

最後に私が実際に不登校の子達を復帰まで導く時に何をしてきたかというのをざっと書きたいと思います。

 

まず、

①対等に接すること

不登校だからといって気を遣うことはしません。普通の人間として接しますし、偉そうなことをいう気もないので友達のような同じ目線で人間関係の構築から始めます。
子どもだって、変な目でみられることを恐れていますよ。

 

関わりの中で「ダメなことはダメ」だし、「いいことはいい」ですよね。
私にとってやはり不登校はよくないこと(のちのデメリットを説明した上で)だから学校に行って欲しいと正直な思いは伝えます。

 

そういった血の通ったコミュニケーションは気を遣ってはできません。
(もちろん信頼関係ができてからですよ)

 

 

②カウンセリング

我慢をさせずに、全部の話を聞きます。自分の意見なんていりません。相手の話をしっかり聞いて、相槌を打つだけで十分でしょう。大体の子が自責の傾向があります。共感なんてしなくていいし、強いて言うならば自分がどう感じたかの感想だけ伝えればいいでしょう。

 

カウンセリングをして、原因をあぶり出します。どんな大人になって、どのような関わりをすれば良いかわかってくると思います。

 

 

 

コンサルタント

 

一番大事なことがこのコンサルタントです。
できていないことを伸ばしてできるようになるより、新たな力を身につけて現状を打開する方が圧倒的に効率的です。

 

そう考えたのも、バスケ指導のおかげです。
控え選手の起用が上手なコーチはグレートコーチです。
人の良いところを伸ばす指導は人材育成の基本的な部分です。
できないことをできないと叱りつけて叩き上げる時代はとっくに終わっているし、不登校児の「コレができない」なんて判断をするのは勝手ですが、結局は指導力のなさです。

 

 

人間は3つの方法で変わると言われています。

1つは、(生活の)時間配分の変化

2つ目は、住む場所の変化

最後は、付き合う人の変化

です。

 

 

この観点でいくとまず、不登校になった時点で悪い方向に変化しています。
もうかつてとは別人です。

いつも決めつけて告げます。でも、楽になるはずです。だって、思い描いていた理想(かつての自分)と現実のギャップに悩む必要が無くなりますから。
あとは、もう一度いい変化に繋がる作戦を立て、実行するだけですから。

 

コンサルのテーマは『変化』で、小さい変化から見つけていくことです。
一緒に家族も変化を楽しんでくれればもう完全にOKです。

 

 

変化を作ることが私の使命です。
教育支援もバスケのコーチも結局根本的な部分は同じで、ゴールも同じく「子どもの豊かな成長」を目指してあの手この手の工夫を凝らすのだと感じています。

 

 

そして、大きな声でお伝えしたいことは、
『1人で悩んではいけない』それは子どもたち自身にも言えることですし、不登校児を抱える家庭や学級みんなに言えることなのです。

 

 

 

 

最後に、不登校を解決することができるのか?
よく言われます。

 

答えは、「わかりません」

 

です。

 

 

でも、不登校は天から降ってくる災難ではありません。
誰しもが抱える要因であり、きっかけを下に現れる症状であり、
ポジティブな成長材料なのです。

 

解決といういうよりは、
なんでしょう・・・・

 

 

『成長』

 

 

この言葉に尽きると思います。

 

 

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